Consulting / Information Architecture / Designing

このページの先頭へ

Journal

クライマークス社員のノウハウを、コラム、ケーススタディ、インタビューなどでご紹介

コラム

ディレクション部 ディレクター NK

初めての人物撮影、Web担当者が知っておくべきポイント

Webサイトに掲載する人物撮影を制作会社に依頼したものの、Web担当者としてどのように進行すればよいのか、どの点に気を付ければよいのか悩むことはありませんか?私は日頃、Webディレクターとしてコーポレートサイトや採用サイトの制作に携わっていますが、リニューアルサイトに合わせて撮影の依頼をいただくことがあります。 このコラムでは、Web担当者が人物撮影を行う際に準備しておくべきことや、知っておいた方が良いポイントについて丁寧にご紹介します。

人物撮影の用途とその重要性

そもそも、人物写真といっても、企業の業種や規模、Webサイトのデザインによって使い方はさまざまです。まずは、Webサイトで人物写真がよく使われるシーンを紹介します。

代表者の紹介

代表者の挨拶や経営理念を掲載するページに使用される写真です。企業のトップの顔を知ることで、訪問者に信頼感や親近感を与えます。

業務の紹介

業務内容を紹介するページに使用される写真です。現場の雰囲気を伝えることで、訪問者の関心を引き、企業への理解を深めてもらえます。

社員の紹介

社員の紹介や企業の規模を伝えるページに使用される写真です。実際に働いている社員の姿から会社や仕事を印象付け、訪問者に親しみやすさや安心感を与えることができます。

採用担当者の紹介

採用ページで採用担当者を紹介する際に使用される写真です。応募者が最初に接することになる人物を事前に知ることで、安心感を提供します。担当者の顔を見せることで、応募のハードルを下げ、問い合わせや応募の増加につなげる効果があります。

人物写真は、企業の信頼感や親近感を高めるために非常に効果的です。
これらのシーンを活用し、適切な人物写真を掲載することで、企業の魅力をさらに引き出すことができます。

撮影前の準備が成功のカギ

弊社のベテラン社員たちもよく言っているのですが、人物撮影において最も大事なのは事前準備です。撮影の技術だけでなく、事前の準備がクオリティを左右するほど重要です。撮影漏れやトラブルを防ぐためにも、具体的な計画立案と準備を事前に行います。撮影当日までに、以下のような準備を入念に行い、カメラマンおよび関係者と連携します。

  1. カット数の確認
  2. ロケハン
  3. 香盤表作成
  4. モデル、撮影スタッフのアサインと日程調整
  5. 情報共有
  6. その他の事前準備

1.カット数の確認

必要なカット数を把握することによって、撮影スケジュールと費用が見えてきます。そのため、サイトリニューアル中の場合、デザインカンプ(デザインの完成見本)、ワイヤーフレーム(設計図)と照らし合わせながら、必要なカットをリストアップすることが多いです。採用サイトであれば、「役員のポートレート」「社員の仕事風景」などの写真もカウントする必要があります。

2.ロケハン

撮影場所を確認するロケハン(ロケーション・ハンティング)も重要な事前準備のひとつです。ロケハンは事前に撮影アングルを決めたり、光の入り方や撮影に必要な機材を確認するために行います。特に撮影カットが多い場合は、日程を調整して必ずロケハンを行うようにします。

3.香盤表作成

香盤表(撮影当日のスケジュール表)の作成も重要です。クライアントや撮影スタッフ全員がこのスケジュールに従って進行することで、円滑な撮影が実現します。
以下は、香盤表に記載する主な内容です。

  • 撮影の順番、予定された時間、場所
  • 写真の用途やページ名
  • 撮影するイメージカット
  • 撮影に必要なモデルの人数
  • 必要な撮影小物やその他のアイテム

4.撮影対象の方・モデル、撮影スタッフのアサインと日程調整

撮影対象の方・モデルの手配を依頼し、撮影スタッフのアサインと日程調整を行います。
屋外撮影の場合は、雨天・荒天に備え予備日の日程を必ず押さえます。

5.情報共有

撮影したい写真をまとめた資料や撮影スケジュールを、しっかりと共有しておきます。
事前に共有しておくことで、撮影前に「このカットの撮影にはもう少し時間がかかる」「こんなカットも入れたほうがいい」などのフィードバックが受けられ、撮影当日の急な予定変更を減らします。

6.その他の事前準備

・余計なものが写らないようにアナウンス

撮影場所がすでに決定している場合、撮影先の関係者に背景に写ってはいけないものを事前に除去するようお願いしています。また、撮影現場によっては、機密情報が含まれることがあるため、撮影前に写ってはいけないものを事前に取り除くようにお願いすることもあります。

・撮影許可申請の確認

私有地や商業施設、管理されている土地などでは、撮影に関する規制が設けられていることがあります。撮影を予定している場所での撮影が可能かどうか、また許可申請が必要かどうかは、事前にお客様に確認していただくようお願いしています。

撮影当時の流れと注意点

事前準備が整ったら、いよいよ撮影です。撮影当日の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 集合と機材準備
  2. 撮影対象の方の準備
  3. テスト撮影
  4. 本撮影
  5. カットの確認
  6. 撤収作業

1.集合と機材準備

撮影スタッフは撮影場所に早めに到着し、撮影場所にてカメラや照明などの機材を設置します。撮影場所の光の状態やスペースを確認し、最適な配置を決定します。

2. 撮影対象の方の準備

撮影対象の方に撮影の流れや意図を説明し、リラックスして撮影に臨めるようにします。
また、撮影に適した服装をしているかについても最終確認します。例えば、首から社員証を下げている場合は、氏名や社員番号が写り込まないよう、外していただきます。また、たとえハンカチやペンなどの小さなものでも、ポケットに入れていると意外に目立つものです。撮影時には、一時的に出していただくようお願いしています。

3.テスト撮影

実際の撮影に入る前に、テスト撮影を行い、照明やカメラの設定を最適化します。この時点で、背景や小物の配置を再確認し、不自然な点がないかチェックします。

4.本撮影

テスト撮影の結果をもとに、本撮影を開始します。撮影中は、撮影ディレクター、カメラマンが撮影対象の方の表情やポーズを指示しながら、自然で魅力的な写真を目指します。

5. カットの確認

途中で撮影した写真をチェックし、必要なカットが撮影できているか、意図したイメージに沿っているかを確認します。不足している場合は、再度撮影を行います。

6. 撤収作業

必要なカットを全て撮り終えたら、機材を片付け、撮影場所をもとの状態に戻します。

人物撮影で気をつけるポイント

人物撮影と一口に言っても、撮影場所やシーンによって注意すべきポイントはさまざまですが、基本的には、季節感を出しすぎないことがポイントとなります。
メインビジュアル、アイキャッチなどWebサイトのベースとなる写真は、長期にわたって掲載され、季節に関係なくユーザーの目に触れることになります。また、基本的に季節ごとに変更することが難しい場合が多いため、撮影する写真もできるだけ季節感が出ないように気をつけます。

・服装

半袖や厚着の服装は季節が限定されますので、薄手の長袖シャツなどを選びます。制服などの指定された服装がある場合は、そちらを着ていただきます。

・背景

植物も季節感が出やすく、特に桜や紅葉の色彩は目立ちますので、背景としては常緑の植物の方が望ましいです。

・小物や装飾

オフィス内にも季節感が出るものがあります。卓上扇風機やカレンダー、季節イベントの装飾などは写らないように配慮します。

これらの基本的なポイントに注意しながら人物撮影を行うことで、魅力的で自然な写真を撮ることができます。

実際に人物撮影をした採用サイトの紹介

クライマークスがこれまでに手がけた人物撮影の実績を一部紹介します。

1:グロービス 採用サイト

https://recruiting.globis.co.jp/

トップページのメインビジュアル、業務紹介、社員紹介など、さまざまな場面で人物写真が使用されています。多様な従業員が写真に登場することで、Webサイトから企業文化や職場の雰囲気を伝えることができます。

2:KSKテクノサポート 採用サイト

https://www.kts.ksk.co.jp/recruit/message/

社員の紹介以外に採用担当者の写真を掲載しています。採用担当者の自然な笑顔の写真を使用することで、応募者に対して温かみのある印象を与えることができます。

3:シンプレクス 採用サイト

https://recruit.simplex.holdings/people/

社員の紹介は、多くの人物写真が並ぶため、背景やポーズには仕事のバックグラウンドと関連するものを選択。自然な表情を大切にして撮影することで、親しみやすさやポジティブな雰囲気を伝えています。

最後に

使用目的に沿った最適な写真を撮るには、撮影対象となる方の日程調整だけでなく、適切な撮影進行を考えることが重要です。そのためには、撮影対象となる方だけでなく、Web担当者、撮影場所の社員の皆さまのご協力も不可欠となります。事前の準備にご協力いただきながら進めていくことで、より魅力的な人物撮影が実現できます。実際に経験しないと伝わりにくいこともありますが、このコラムが少しでもお役に立てたら幸いです。
撮影に関してお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。クライマークスが、貴社の魅力を最大限に引き出すお手伝いをいたします。

Web制作

大規模コーポレートサイトからサービスサイトやサテライトサイトまで、アートディレクションと情報アーキテクチャ設計を融合した、クリエイティブで訴求力の高いサイトを構築します。また、フロントエンドのみならずバックエンドのシステム構築、デジタルマーケティング支援までを総合的に提供しています。

コンテンツ制作

さまざまな表現手法を駆使し、ターゲットに応じた効果的なコンテンツを実現。取材やワークショップなど通じて、0から企業や商品・サービスの魅力を抽出することも可能です。

Keyword