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Journal

クライマークス社員のノウハウを、コラム、ケーススタディ、インタビューなどでご紹介

コラム

企画戦略室 ディレクター K

麻雀から広まる社内コミュニケーション

コロナ禍と麻雀

近年、麻雀が熱いことはご存知でしょうか。コロナ禍も相まって室内でできる知的なゲームとしてじわじわと若い世代にも浸透していき、競技人口(2023年には500万人に到達)が増えてきているといいます。お金をかけないクリーンなゲーム、そして指先と頭を使うのでボケ防止にも役立つということから「健康麻雀」という言葉で世間に広まっています。

またAbemaが提供しているMリーグ(ドラフトされたプロ雀士が年間でリーグ戦を行う)も今年で6年目となり3月に行われた2000人規模のイベントは即完という人気ぶり。麻雀をプレイせずに観戦だけをする「見る雀」人口も約250万人に。麻雀=賭け事という古いイメージを払拭し、麻雀=知的スポーツという新しいイメージで市民権を着々と獲得してきています。

かくいう僕もこのブームに乗っかっている一人です。友人を交えて月に2~3回ほど健康麻雀を打っています。実は麻雀自体のルールは知っており大学の頃に数回だけやったことがあるのですが、サークルの先輩にボコボコにされてからもう2度とやるか!と念じ自分の中では封印してきていました。そんな折、コロナ禍となり大学時代の友人に誘われて何となしに再開をしたのがきっかけに。負けず嫌いなところもあり、今では戦術本を熟読しているほど見事にハマっています。

麻雀1

健康麻雀部発足?!

このハマりっぷり、麻雀熱を少しでも伝播させようと、去年あたりから社内で麻雀ができる人はいないだろうかと探すようになりました。親しい友人同士で行うのもいいけれど、社内交流も含めてこの機会に色々な人とより仲良くなれたらなというのが魂胆です。

その労あってか、今年の2月に晴れてクライマークス社内交流戦が開かれる運びとなりました。普段仕事の話しかしない人や、リモートで会う機会がない人も参加を表明してくださり、年代ポジション問わずの良い交流の場に。そして、参加メンバーの満足度も高かったのか定期的に開催しようということになり、クライマークス健康麻雀部が発足。月1回平日夜に開催し、点数を記録していきトータルポイントで上期・下期の王者を決めるレギュレーションです(これを読んでいるクライマークスの諸君、興味あれば僕までチャットを)。特に優勝賞品などは決めてないのですが、プライドを賭け仕事の雑談やプライベートトークに花を咲かせながら卓を囲んで麻雀をしています。

前置きが長くなってしまいましたが、今回はその麻雀の面白さとそこから生まれるコミュニケーションについて話していきたいと思います。

麻雀って何が楽しいの?

口を開けば「麻雀、麻雀…」とうるさい僕ですが、そんな麻雀のどこが面白いのかをwebディレクター目線で少し考えてみました。

① 選択の連続

麻雀は、同じシチュエーションが一生に一度も来ないと言われているくらい毎局違う展開になります。まず、34種類136枚の中からランダムで13枚が4人に配られます。そこから1枚を引いて1枚を捨てるシンプルな動作を繰り返し、牌を組み合わせて点数を競い合うゲームです。その動作の中で、常に最善の選択をするために何を切って何を残すかを常に考えていかなければいけません。最終的な上がりというゴールを目指す上で、小さな課題と小さな目標が常に出てくる状態が続き、上がれば結果という形で点数がもらえます。

僕はこのトライ&エラーが1時間に何回もやってきて、結果がすぐに現れる再現性がとても好きです。そして自局、すぐにその反省を胸にゲームを再開できるので成長している感がとてもあります。
例えるなら牌をツモってくるのは、Webサイトを公開するまでのWBSを引いて、逆算して各作業(要件定義・画面設計・デザイン・コーディング)を当てこんでいく感覚に近いものがあり、1日1日の進め方で「上がり=公開」まで持っていけるかどうかが決まるようなものなのです。

② 運

ただ、麻雀はどんなに反省を胸に刻んで練習を積んでも運の要素があることに変わりはありません。僕の感覚で言うと、実力6割・運4割のバランスが近しいでしょうか。運が占める要素が大きいので初心者でも勝てる余白があり、だからこそ実力が大事!というのが麻雀の面白いところだと感じています。
他の競技にこの実力と運のバランス値を当てはめてみると、こんな感じでしょうか。

  • 将棋/チェス→実力10割・運0割
  • 球技全般→実力9割・運1割
  • 麻雀→実力6割・運4割
  • パチンコ→実力0.5割・運9割

麻雀と似たような競技でポーカー(テキサスホールデム)が挙げられますが、こちらはどうでしょう。僕自身も結構好きで、最初のカード3枚が捲られる瞬間やブラフしている時の緊張感など堪らないものがあります。バランス値は実力3割・運7割ぐらいでしょうか。ただ、ポーカーは自分の手が悪かったらフォールドといってゲームから降りられる権利がありますが、麻雀は局が終わるまでは常に戦ってないといけない。そういった点で麻雀は、常にゲームに参加しているという一定の緊張感と拘束がゲームと、プレイヤーを飽きさせない仕組みになっているのもまた魅力なのだと思います。

③ リスクと読み

自分にとって最善の牌選択を行うという行為にリスクはつきもので、丸裸で上がりに一直線で向かうのか、安心材料をかかえながらノロノロと上がりに向かうのかでは全然違ってきます。仕事でもよくバッファという言葉を使いますが、リスクを避けてバッファを取りすぎるとプロジェクト期間が伸びてグダグダになってしまったり、無駄な稼働期間を見積もってしまうデメリットも、常にリスクとの天秤です。極力リスクを避けながら最短でゴールを目指すという理想は、麻雀もweb制作も同じといえるでしょう。

とはいえ麻雀は遊戯であり1位を目指すゲームなので、どのタイミングでリスクを取りビリを避けるのかを状況を読みながら瞬時に決断していかなければいけません。その決断の連続が非常に楽しい。

また麻雀は役を揃えるパズル要素に加えて、相手プレイヤーとの戦略的な駆け引きが繰り返されるのも特徴的です。捨て牌、手出しツモギリ、捨てるまでの時間、表情、手癖などなど、様々な判断レイヤーが折り重なっており、それらを複合的に考えてこの牌なら通りそう、上がれそうを考える。このような思考や読み自体にも個性が出るので、トッププロでもよく選択が分かれるといいます。

大きく分けてこの3つの要素が麻雀のゲーム性の大部分を担っていると考えています。全ては自分自身が納得した上でのプレーの連続、自らの選択を答えにしていくという、いわば放り出されたような感覚が病みつきになってくるのです。

さて、次は麻雀のゲーム性以外の部分に触れてみたいと思います。

麻雀とコミュニケーション

麻雀の卓を改めて考えみると、改めてこの人口密度の高さはなかなか無い状況といえないでしょうか。830mm×830mmの正方形をテーブルに大人4人が正体して座りながら、手が行き交うという状況。ほぼ鍋パーティーです。執務室の座席の方が余程ゆとりあるような……。

麻雀2

ゲームの性質上最低でも2時間ほどは行うため、どうしても相手プレイヤーにも目がいくなど、ちょうど会話がしやすい距離感です。初めて社内で交流戦をした時も普段話さない人と雑談ができたり、プライベートの深い話をぶっ込んでみたり、意外とこの人って肌綺麗だな……とか思ってみたり(笑)、普段はできない考えないことが麻雀をすることで自然と出てきたり。それもこれもこの絶妙な距離感のおかげでしょうか。リモート環境で忘れかけていた自然とコミュニケーションが取れる、「間合い」というものを麻雀が再確認させてくれたのかもしれません。

とはいえ、いくら近い距離に2〜3時間も同じ人といれば会話は尽きてくるだろう——と思っているあなた、それは大間違い。冒頭にも書いた通り、麻雀は同じシチュエーションが一生に一度も来ないと言われるほど波瀾万丈な展開が目白押し。リーチに安牌がない、ドラをポンされた、一発でツモった!などプレイヤー同士で一喜一憂して全員でその場の楽しさを即時共有できるのも麻雀の良さなのです。

麻雀から見えたWeb制作における大事な部分

少しだけ真面目な話をします。会社の人と麻雀をしている時にこの絶妙な距離感と人との空気感、仕事をしている時の何かに似ているなと悶々としていました。それは一体何なのか。

自分自身クリエイティブに携わる者として、真の良いものを作り続けて行きたいと常日頃から思っています。そして、ただの良いものは頑張れば一人でできるかもしれない、ただ真の良いものは様々な人の意見の「良い」が寄り集まって凝縮されたものだと僕は思うのです。。
そんな真の良いものに到達するには、オンラインでプロジェクトを進めて、単に期日までにゴールに向かうだけではダメ。それこそ、麻雀のような距離感(自然と腹を割って話せる距離)で、一定時間以上メンバーと同じ時間を過ごし納得感を貯めることで到達できるのでは——そう気づいたとき、麻雀をしている時の悶々が晴れました。

様々なプロジェクトを思い返してみると、同じ場所と時間にいることでお互いの共有値が上がっていき、ふとした瞬間にクリエイティブジャンプが生まれたり、辛い時の踏ん張りが効いたりしていた気がします。
また、距離感が近いと意見を言った時の反応や態度、自然と出る仕草だったりが鮮明に読み取れるので、お互いが嫌な思いをすることなくクリアに物事を進められました。
そういった小さな積み重ねから生まれる意見の集積が真の良いものへ近づけてくれる。そんな当たり前だけど大事なことを気づかせてくれた麻雀よ、ありがとう。

終わりに

バランスの良いゲーム性と垣根をつくらず人と人を繋ぐコミュニケーションツールとしても、大いに役立つ麻雀。これを読んで少しでも麻雀に興味を持った方、麻雀を社内で企画してみようと思った方、ぜひ一歩前へ進んでみてください。きっと良いことがあるはずです。

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