コラム
デザイン部 デザイナー M
コーポレートサイトとサービスサイト、分ける?統合する?目的別で解説
会社のWebサイトを作ることになったとき、会社のページと商品のページは別のサイトにした方がよいのか、そもそもそれぞれの役割をどうすべきか悩んだことはありませんか?
会社のページ(コーポレートサイト)は、「会社の顔」として会社を知ってもらうために重要です。一方、商品のページ(サービスサイト)は、会社の売り上げにつなげるために重要な役割を担っています。
そこで今回は、これからWebサイトを作る、または、リニューアルする企業の担当者向けに、コーポレートサイトとサービスサイト(またはECサイト)を分ける・一緒にする(統合する)メリットやデメリットについて、事例をまじえて解説していきたいと思います。
目次
「サイトを分ける・統合する」の定義
まず、ここでいう -サイトを分ける・統合する- は、下記のような視点で考えます。
- サイトの構成・デザイン・印象を別にするか or 一緒にするか
- サイトの構成としてコーポレートサイトの下層にサービスページを置くかどうか
(コーポレートサイトのナビゲーションの下にサービスサイトがあるか)
コーポレートサイト・サービスサイトそれぞれの役割について
一般に、コーポレートサイト・サービスサイトには、以下のようにそれぞれ違った役割があると考えられています。
コーポレートサイト
ネット上での会社の顔であり、取引先や求職者に自社に対する信頼感・安心感を与えるサイト
サービスサイト(ECサイト)
自社サービスや商品を紹介・訴求し、販売につなげることに特化したサイト
では、分ける or 統合するは、どうやって決めればよいのでしょう
【結論】原則なし。方向性や目的、状況、費用を判断して決める
結論になりますが、サイトを -分ける or 統合する- に原則はありません。
コーポレートサイトとサービスサイトを -分ける or 統合する- メリット・デメリットは、それぞれの会社の状況や目標によって変わっていくからです。
以下、ケース別に、メリット・デメリットを交えながら解説していきます。
ケース1 集客が第一の目的なら分ける
ネット上の集客が目的であれば、商品の効果効能やベネフィット(商品から得られる利点)をダイレクトに訴求したほうが効果的です。
商品を売っていきたいターゲットにとって、企業理念や代表メッセージなどの情報は必ずしも必要ではありません。コーポレートサイトとサービスサイト(ECサイト)を分け、商品だけを見せていったほうがよいでしょう。
メリット
ターゲット像をしっかり捉えれば、集客に特化したサイトができる
デメリット
費用がかさむ、自社のブランド力向上はそこまで見込めない
ケース2 商品と自社のイメージ・デザインが合わない場合は分ける
自社のイメージとは異なる商品を出している場合は、分けたほうがよいでしょう。
例として、「株式会社ダスキン」があります。ダスキンは清掃サービスを展開する企業ですが、あの有名な「ミスタードーナツ」も運営しています。
ダスキン コーポレートサイト
ダスキン サービスサイト
これらのサイトを分けている理由としては、恐らく別々で運営したほうがユーザーの使い勝手が良く、独立したブランドイメージが形成できるからだと考えられます。
こうやってそれぞれのサイトを見てみるとデザインも大きく違い、サービスのイメージも異なっています。
メリット
自社とイメージが異なるサービスも展開可能
デメリット
費用がかさむ、運営に手間がかかる
ケース3 ターゲットが明確に異なる場合なら分けるのが一般的
このケースも、分けたほうがよい一例です。
代表的な例でいうと「ニトリホールディングス」が挙げられます。
ニトリホールディングス コーポレートサイト
ニトリホールディングス サービスサイト
こちらのコーポレートサイトは、求職者や投資家に自社に対する信頼感・安心感を与えるのが目的のようです。
対してECサイトの「ニトリネット」のほうは商品数が多く、コーポレートサイトと統合すると、自社への信頼感を与えるための情報と、商品を訴求するための情報とが混在してしまいます。
コーポレートサイト・サービスサイト(ECサイト)でターゲットが違う場合、情報が混在し、それぞれのユーザーの使い勝手が悪くなる恐れがあります。この場合は、分けたほうがよいでしょう。
メリット
それぞれのユーザービリティ(使い勝手)を意識して制作できる
デメリット
費用がかさむ、運営に手間がかかる
ケース4 自社の知名度を上げたいなら統合
次に、もし自社の知名度がまだまだ低く、「これから事業をもっと大きくしていきたいから、商品を通してウチを知ってほしい」と考えている場合です。この場合は、自社のブランド力を上げるためにコーポレートサイトとサービスサイトは統合したほうがよいでしょう。
商品ページから自社サイトに訪問したユーザーに対し、別のサービスの訴求や会社のPRができるメリットもあります。
メリット
商品を通して自社ブランディングにつながる
デメリット
商品に興味を持ったターゲットの使い勝手が悪くなる恐れがある
ケース5 制作費用を抑えたい・管理の手間を減らしたいなら統合
「とにかく予算がなく、制作費用を抑えたい!」という場合は、コーポレートサイトとサービスサイトはドメインを含め、統合したほうがよいでしょう。
別々にした場合、サーバー代やドメイン代などの経費がそれぞれ発生したり、異なったデザインとすることで制作費がかさむことがあります。
また、多くのサイトがあると、その分更新や管理の手間も増えますので、サイト管理が面倒であれば統合してしまったほうがよいでしょう。
メリット
リーズナブルに自社の情報すべてが管理できるサイトを制作できる
デメリット
自社の情報や、商品の情報に特化したサイトが作れないため、ユーザーの使い勝手が悪くなる場合がある
ケース6 SEO対策の観点ではどちらにもメリットがある
企業でウェブサイトを制作・リニューアルするときには、SEOも重視する必要があります。
SEOの観点からいうと、 -分ける・統合する- は、それぞれメリットがあります。どちらを選んでもよいでしょう。
分けた場合のメリット
それぞれのサイトの専門性が増し、Googleから良い評価を受けやすいサイトとなる。
統合させた場合のメリット
ページのボリュームが増え、多種多様な内容があることでサイトの網羅性が上がる。それによって、それぞれ異なる目的のユーザーがサイトに訪問し、結果的にGoogleにも認知されやすくなる。
コーポレートサイト・サービスサイトを分ける or 統合するかを決めるには
コーポレートサイトとサービスサイトを -分ける・統合する- を決めるには、自社の方向性や目的、状況、費用などを考慮しながら決定しましょう。
「これから事業を大きく展開していきたい」
「既存の自社サービスとは全く異なった商品を売り出したい」
「自社商品をこれからどんどん増やしていきたい」
と、考えているなら分けたほうがメリットが多いでしょう。
逆に
「制作費用を抑えたい」
「自社ブランディングに力を入れたい」
「運営するサイトの数をシンプルにしたい」
などの場合は統合したほうが良いでしょう。
最後に
いかがでしたか?
サイトを分けるにしても統合するにしても、それぞれにメリット・デメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか。
そのため、自社はネット上でこれからどうしていくか?ということを明確にしてコーポレートサイト・サービスサイトを分けるか統合するかを判断していきましょう。
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