コラム
デジタルマーケティング部 プロジェクトマネージャー Y
ECサイトのリニューアルで重要な6つのポイント
EC市場が拡大していく中で、売上げアップやブランディングの一環として、ECサイトをリニューアルをしようと考えている企業も増えてきています。メディアサイトでは、SNS施策や接客ツール、MAツールなどのサービス情報も飛び交っています。
しかし、慌ててECサイトをリニューアルしてしまうと、完成後に運用がうまくいかない、機能が使いこなせない、などということが起こり得ます。
そこで今回は、ECサイトのリニューアルで押さえておきたい重要なポイントをご紹介したいと思います。
1.アクセス数や会員数、売り上げ目標のKPIを設定
大前提ではありますが、リニューアルするにあたり具体的な目標を立てる必要があります。
現状のアクセス数や顧客情報、日次・月次の売上げを分析、リニューアル後の目標を明確にし、これらをふまえてリニューアルの方向性や売上げアップ施策、CRM施策、プロモーション施策を検討していきます。
2.フルフィルメント(*)の流れを確認した上でのシステム構築
*フルフィルメント:ECサイトにおいて受注、決済、ピッキング、配送・返品、コールセンター(または運営事務局)などの一連の業務。
フルフィルメントはEC事業の根幹となる業務で、リアル店舗でいうと店員の接客業務になります(後述しますが、今では「接客業務+α」をユーザーに提供できるかが大きなポイントでもあります)。この業務を通してユーザーと直接コミュニケーションが行われるため、対応スピードやコミュニケーション内容といった、フルフィルメントの質が、ECサイト(企業)の顧客満足度の向上、ブランディングにも大きく影響していきます。フルフィルメントこそ、ECサイトでユーザーと向き合っている最前線といっても過言ではありません。この業務の流れを確認した上でシステム構築することが、とても重要となります。
そして、この業務がスムーズに行われるように確認しながら、システム構築することがとても重要となります。
3.ECサイトのプラットフォームの選定とデモ画面の確認
ECサイトのプラットフォームには大きく以下の5つがあります。詳しい説明はここでは割愛しますが、それぞれ費用や構築期間、標準機能が異なりますので、必要な要件と中・長期的なロードマップを踏まえて選定していくことが必要です。
また、プラットフォームによって異なりますが、フロント・管理画面のデモは必ず見せてもらいましょう。Movable TypeやWordPressとは異なり、ECサイトのプラットフォームの多くはデモ画面を見ることができます。要件定義の段階でも良いので必ずデモ画面を見せてもらい、要件を詰めながら、リニューアル後のオペレーションに影響がないかを確認していくことが重要です。
■ECサイトのプラットフォームの種類
- ASPサービス
- オープンソース
- パッケージ版
- クラウド版
- フルスクラッチ(ゼロから構築するためデモ画面はありません)
4.現状システムの課題抽出
ユーザーと自社の両方の視点で現状システムの課題点を洗い出し、リニューアル後の改善につなげます。旧システムの機能をリニューアル後も引き継ぎたい場合は、新システムに移行できるかの確認も必要となります。
また、売上げアップのために必要なマーケティング機能の有無も確認しておきましょう。
ECシステムによっては、カスタマイズしないと実現できない機能もあるので、事業計画・予算に合わせた検討が必要です。
■マーケティング機能
- CRM機能
- MA×AIツール(レコメンド、フォローアップ、カゴ落ち対策など)
- 接客ツール
- LINEなどSNS連携
- メール配信システム 等
5.CX/UXデザイン
ECサイトの多くは、スマートフォンでも閲覧・購入できるようになっており、今ではOMO(Online Merges with Offline)という言葉を目にする機会も増えてきました。オンラインとオフラインの垣根がなくなり、オンラインで情報収集し、オフライン(リアル店舗)で購買するという流れも多いようです。
先ほど接客業務+αとご紹介しましたが、「+α」というのはここでは以下を指しています。
- 商品を購入することで「私(ユーザー)」の悩み・課題を解決できるか?
- 提供しているサービスは「私(ユーザー)」の期待通りの内容か?
これを見ると、ユーザー個別の悩みの相談対応になりますが、まさしくその通りです。
私の経験では、即購入や、ユーザーの課題解決につながらなくても、丁寧に対応することで顧客満足度は上がります。
つまり、オンラインとオフラインでユーザーが快適に消費行動を体験できるようにすることが、売上げに大きく影響するのです。商品の見つけやすさ、購入のしやすさはもちろんのこと、サービスを利用するターゲットユーザーの気持ちを意識しながら、CX/UXデザインをする必要があります。
6.セキュリティ対策の確認
ECサイトにおいて、セキュリティ対策は最重要ポイントになります。
先ほどプラットフォームのお話しをしましたが、選定するプラットフォームによってセキュリティ対策のプランは変わります。脆弱性対応、改ざん検知、プラットフォームのバージョンアップなど様々な対応があるため、必要に応じて対策を講じていきます。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回ご紹介した内容は、ECサイトをリニューアルする上で押さえておきたい重要なポイントの一部となります。ECサイトの構築・運営はとてもコストが掛かる上に、理想の状況が整わないことの方が多いと思います。だからこそ、慌てずに一つひとつポイントを押さえて、工夫をしながら進めていくことが重要となります。
クライマークスは、貴社のECサイトの課題解決をご支援いたします。
ECサイトのリニューアルをご検討中でしたら、お気軽にご相談ください。
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