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Webマーケティングの種類と手法の選び方を徹底解説

Webマーケティングの施策・手法にはさまざまな種類があります。それぞれに特徴や向き・不向きがあるため、自社の製品・サービスに合ったWebマーケティングの施策を見つけるのも簡単ではありません。

そこでこの記事では、Webマーケティングの主要な施策について定義や特徴を紹介したうえで、選び方を説明します。Webマーケティングに欠かせないツールについても解説します。

1.Webマーケティングとは

Webマーケティングとは、WebサイトなどのWeb媒体やWeb上のサービスを活用して行うマーケティング活動を指します。

Webマーケティングの大きな特徴は、行う施策の効果をほぼリアルタイムで数値化できるため、効果測定が行いやすいことです。例えば、「自社サービスサイトの特定のページに、どれだけのユーザーが訪れて、何件の問い合わせや申込みに結び付いたか」などの数値を把握できます。従来型の広告やマーケティングが正確な効果測定するために要する労力と比較すると、Webマーケティングの強みがより明確になります。

Webマーケティングとは?施策やメリット、成功のポイント

2.Webマーケティング施策の種類

Webマーケティングの施策にはいくつもの種類があります。ここでは、主な施策を7つ取り上げ、それぞれの定義や特徴などについて分かりやすく説明します。

2-1.Web広告の出稿

Web広告とは、Web上のメディア(媒体)に掲載される広告を指します。SNSやメールなどインターネットを通じた広告も含まれ、その種類は豊富です。

Web広告の主なメリットを挙げると、以下のものがあります。

  • 紙媒体やテレビなど従来メディアに比べて少ない広告費で始められる
  • 細かなターゲット設定ができる
  • 短期間で効果が出やすい
  • 効果測定が容易で改善しやすい
  • 出稿したものでも内容の変更ができる

Web広告の主なものを挙げると以下の通りです。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • アフィリエイト広告
  • SNS広告
  • 動画広告
  • メール広告

配信や課金の方法も数多くあるため、自社の製品・サービスに合った広告手段を選ぶためには、相応の知識や経験が必要です。

なおWeb広告の種類ごとの特徴は後段で詳述します。

2-2.検索エンジンマーケティング(SEM)

検索エンジンマーケティング(SEM)とは、自社サイトなどに検索エンジンからの流入者を増やすためのマーケティング活動を指し、その手法は大きく「SEO」と「リスティング広告」の2つに分けられます。

SEO(Search Engine Optimization)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ターゲットとするサイトやサービスが上位表示されるよう改善するものです。

そのためには、適切なキーワードの設定とユーザーに役立つコンテンツの作成、デバイスに合った表示などが基本となります。そのうえで、アクセス解析などに基づき、改善を続けていくことが欠かせません。

もう1つの「リスティング広告」とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告です。

webマーケティング

2-3.オウンドメディアマーケティング

Webマーケティングにおいては、コンテンツを通じた情報発信を目的とするサイト・メディアを「オウンドメディア」と呼ぶのが一般的です。

オウンドメディアを運営することによって、次のようなマーケティング上の効果が期待できます。

  • 企業や製品・サービスのブランディング
  • 潜在顧客の顕在化
  • 新規顧客との接点構築
  • 既存顧客との接点強化
  • 広告宣伝費の抑制

一方で、以下の点には注意が必要です。

  • 効果が出るまで時間がかかることが多い
  • 運営には人的リソースとコストがかかる

2-4.SNSマーケティング

その名の通り、SNSを活用したマーケティング手法です。拡散力の強さを活かして製品・サービスの認知度アップやブランディングを図れるだけでなく、ユーザーとの直接的なコミュニケーションによるファン育成や囲い込みなどにも力を発揮します。

どのようなソーシャルメディアもSNSマーケティングの対象になり得ますが、主に使われているのは次の4つです。

  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram

ユーザーの属性などSNSプラットフォームそれぞれの特長を活かした施策を実施すれば、原則無料で行えるSNSマーケティングは高い費用対効果が期待できます。

2-5.メールマーケティング

「メールマーケティング」とは、EメールやSMS(Short Message Service)を用いて、見込み顧客とコミュニケーションを取ったり、潜在顧客にアプローチしたりするマーケティング手法を指します。

メールマーケティングでよく使われるのは下記のメールです。

  • メールマガジン(メルマガ):不特定多数のターゲットに向けて「一斉配信」する
  • ステップメール:あらかじめ決められたタイミング・内容でメールを順次配信する
  • セグメントメール:対象を絞って、興味や関心度合いに合わせたコンテンツを個別配信する

また、SMSを活用したメールマーケティングは、電話番号が分かれば送信できる簡便さが特徴です。

2-6.フォームマーケティング

フォームマーケティングとは、「問い合わせフォーム」や「資料請求フォーム」から相手企業に対するアプローチを行い、自社への問い合わせやアポイントなどを獲得するマーケティング手法です。

電話番号やメールアドレスが分からないと、テレアポやメールマーケティングは行えません。これに対して、フォームマーケティングはターゲットとする企業のWebサイトに何らかの連絡用フォームがあればアプローチ可能です。

また、メールマーケティングによる配信メールは、開封率の低さが課題とされています。これに対してフォームからのアプローチは確実に開封されるうえ、中小企業などであれば決裁権を持つ人が自らフォーム対応をしており内容を確認してもらえることもあるため、次のアクションにつながる確率を高めることができます。

2-7.ウェビナーマーケティング

ウェビナーとは、「ウェブ」と「セミナー」を合わせた造語で「ウェブ上でのセミナー」を意味し、日本ではコロナ禍による行動変容によって一気に普及が進みました。このため、ウェビナーを活用したマーケティングも注目されるようになったのです。

ウェビナーマーケティングには、次のようなメリットがあります。

  • 購買意欲が高い顧客を獲得できる
  • 顧客との関係構築ができる
  • 利便性が高く、コストの削減もできる

一方、ウェビナーマーケティングには以下のような注意点があります。

  • ウェビナー終了後のフォローアップを徹底する必要がある
  • 過剰な売り込みは逆効果につながる恐れがある

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3.マーケティングに活用されるWeb広告の種類

前段ではWebマーケティング施策の1つとしてWeb広告を挙げましたが、先に触れた通りWeb広告の種類は豊富です。施策の実施にあたってはWeb広告の主な種類やそれぞれのメリット・注意点を知っておくことが役立ちます。そこでここでは主要なWeb広告を5つ取り上げ、広告の仕組みや配信先、配信できるサービス、マーケティングにおける活用方法などを解説します。

3-1.リスティング広告

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果画面に掲載されるテキスト形式の広告を指します。Googleの場合は「Google広告」、Yahoo!の場合は「Yahoo!広告」に登録して、目的のキーワードに対して入札を行った結果によって、掲載の可否と表示順位が決まります。

リスティング広告は表示順位や内容などをコントロールできるものの、競合が多い人気のキーワードであるほど入札価格(クリック単価)は高くなるのが難点です。

3-2.ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイト内の広告スペースに表示される動画・画像・テキストだけの広告のことです。ディスプレイ広告を配信する場合には、「Google ディスプレイネットワーク(GDN)」や「Yahoo! 広告ディスプレイ広告(運用型)」などに運用を依頼します。

例えば、GDNに運用を依頼すると、各種WebページやYouTube、Gmailなどのユーザーにディスプレイ広告が配信されます。

3-3.アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、アフィリエイトサイトに掲載した広告経由で広告主のサイトをユーザーが訪れ、購入・登録などの成果に結び付いた場合、広告主が媒体側に報酬を支払うものです。媒体と広告主を仲介するアフィリエイトASPを通じて、アフィリエイトサイトに広告出稿するのが一般的です。

また、アフィリエイト広告のなかには、成果報酬を媒体内で使えるポイントなどの形で会員に付与する「リワード広告」と呼ばれるものもあります。

3-4.SNS広告

SNS広告とは、SNSプラットフォームに配信する広告のことで、LINEやFacebook、Twitter、Instagramは公式の広告配信サービスを用意しています。SNS広告には次のようなメリットがあります。

  • ターゲティングの精度が高い
  • 潜在顧客にリーチができる
  • 他の広告よりもユーザーに受け入れられやすい

こうしたメリットを活かしたSNS広告の効果的な活用方法としては、「潜在層への製品・サービスやブランドの認知拡大」や「企業・ブランドのファン育成」などが挙げられます。

3-5.動画広告

動画広告はストーリー性を持たせやすく、「音」と「動き」によりユーザーの聴覚や視覚に訴えられることが最大の特徴です。このため、製品・サービスの情報がユーザーの印象に残りやすく、ブランド認知度や購買意欲の向上に高い効果を発揮します。

Web上で展開する動画広告の代表格は「YouTube広告」で、公式の配信サービスも用意されています。また、SNS広告での配信やGDNのようなアドネットワークを使った幅広いWebサイトへの配信も可能です。

4.Webマーケティングで使用されるツールの種類

Webマーケティングに関係する業務では、作業を効率化・自動化するためのツールがよく使われています。ここではMAツール、CMS、アクセス解析ツールの3つを取り上げ、特徴や利用方法を説明します。

4-1.MAツール

MA(Marketing Automation)とは、一言でいえば「新規顧客開拓や既存顧客との関係強化を仕組み化すること」で、それを効率よく行うために用いるのがMAツールです。具体的には、顧客に向けたメール配信や属性に応じたWebサイトの適切なページへの誘導、行動履歴による購入意識の測定などを自動化します。

また、Web広告の分析やサイトのアクセス解析などに加え、データベース化した顧客データをさまざまな角度から分析したうえで顧客との関係を維持・強化するのに役立つCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の機能を持つMAツールもあります。

4-2.CMS

CMS(Contents Management System)とは、特別な知識を持たない人でも簡単にWebサイトの作成・公開・更新ができるツールです。CMSはオウンドメディアマーケティングや検索エンジンマーケティングを進めるにあたって、その核となるWebサイトやコンテンツを作成する際に役立ちます。

CMSの代表的な存在である「WordPress」の最大の特徴は、その便利で分かりやすい操作性と豊富なプラグインです。プラグインとは機能を追加するための拡張ツールで、セキュリティ対策や高速化、SEO、問い合わせフォーム作成などさまざまなものが用意されています。SEO施策やLP制作に便利なプラグインも多く、Webマーケティング施策を支えます。

4-3.アクセス解析ツール

アクセス解析とは、Webサイトを訪れた人の行動や特性を分析することです。アクセス解析ツールを用いれば、検索に使ったキーワードや流入経路、サイト内での行動履歴などのデータを活用し、ユーザーの関心やコンバージョンに至るまでの行動などが分析できます。このため、Webサイトの改善やマーケティング施策の適否を判断するのに有用です。

アクセス解析ツールの代表的なものとして「Googleアナリティクス」(2023年7月に「Googleアナリティクス 4)に全面移行予定)と「Googleサーチコンソール」が挙げられます。両者の機能の違いを簡単に説明すると、Googleアナリティクスがサイト訪問後のユーザーの行動を可視化するのに対し、Googleサーチコンソールはサイト訪問前の行動やSEOの効果を検証するのに役立ちます。

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5.Webマーケティング手法の選び方

Webマーケティングで結果を出すためのポイントは施策の選択です。成功している他社の真似をしてもうまくいくとは限りません。ここでは、的確な施策を決めるための考え方を解説します。

5-1.目標を起点に検討する

Webマーケティングを行うにあたって欠かせないのが「目標設定」です。なぜなら、目標を設定し方向性を決めることで、戦略やどのような施策を行うのかが明確になり、成果が出やすくなるからです。

売上拡大などの目標を決めたら、次に現状分析を行います。例えば、売上が伸びない理由が顧客数や販売数量にあるのか、あるいは購入単価の問題なのかが明らかになれば、目標達成に向けた課題も明確になります。

対策を実行するにあたって有用なのがKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)で、原因に応じて「1ヶ月の商談獲得目標〇〇件」「顧客1社当たり平均受注単価〇〇円」といった形で設定します。

5-2.KPIごとに適した手法を選ぶ

前項で示したように、目標は同じであってもKPIが異なれば、実行すべき施策も異なります。例えば、売上アップを目標にした場合、KPIが「商談件数の増加」であれば、行う施策は新規顧客獲得に有効な検索エンジンマーケティングやWeb広告が中心になります。

一方、同じ売上アップが目標でも、KPIが「平均受注単価のアップ」であれば、顧客との関係強化につながるオウンドメディアマーケティングやSNSマーケティングが中心になるといった具合です。

5-3.常に効果分析と改善を行う

目標達成に向けた施策を実行に移したら、データ分析に基づき施策の効果を検証します。検証結果に問題があれば、すぐに軌道修正を図ります。場合によっては施策の変更や追加が必要になる可能性もあります。それだけにデータ分析に基づき課題を明確にすることは重要です。

従来型のマーケティングでは、検証に必要なデータ収集・分析をするために費用や手間が別途かかることも少なくありません。つまり、絶えずデータを分析して迅速に改善策を実施できるのも、施策の結果を数値化できるWebマーケティングの大きなメリットなのです。

6.まとめ

Webマーケティングは、行う施策の効果がほぼリアルタイムで数値化され、検証できるのが大きな特徴です。また、ツールを利用すれば、Webサイトの制作・更新、Webサイトを訪れたユーザーの行動解析、ユーザーへの働きかけなど、Webマーケティングに関連する作業のかなりの部分について効率化・自動化が可能です。

施策それぞれの特徴をよく理解し、適切な選択をしたうえで、上記のWebマーケティングの特性を活かした取り組みこそが成功のポイントとなるのです。

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