コラム
ディレクション部 ディレクターTO
自社にマッチした人材を採用したい!変化する新卒採用と学生の意識を確認。採用サイトを充実させて、採用活動を成功させる。
「今年の採用活動って、何から始めたらいいの?」「自社にマッチする人材を採用したい!でも何から手をつければよいかわからない!」採用担当者のみなさんは、人材採用に頭を悩ませていないでしょうか。
相変わらずの超売り手市場が続き、足元では学生数が減少、人材採用は、企業の経営課題の一つとなっています。
自社にマッチする人材を採用するために、1年間を通して行う採用活動は重要な業務です。しかし、採用活動は多様化が進んでおり、採用を巡る環境も複雑になっています。企業の採用広報をお手伝いしている私たちですが、特にコロナ禍をきっかけに生じている変化の大きさに驚いています。
このコラムの前半では、現在の就活ルール、コロナ禍で見えた学生の意識変化、インターンシップなどの状況を見ていきます。そして後半では、企業の採用活動の輪郭と採用サイトの重要性にポイントを絞って触れていきます。
目次
あらためて、就活ルールとは?
経団連が策定した「採用選考に関する企業の倫理憲章」に改定を重ねたものが、いわゆる就活ルールと呼ばれている内容です。就職活動の早期化を防ぎ、学生が学業に専念できる時間の確保を目的としています。会社説明会や採用選考の解禁日を明示し、採用活動に基準を設けたことは、経団連への加盟企業と大学側が足並みをそろえるのに一定の効果がありました。一方、経団連に加盟していないITや外資系企業による独自の採用スケジュールも同時に広がりを見せました。近年も、ルールにとらわれず前倒しで採用活動を開始する企業が増えているようです。
就職活動ガイドラインの策定は、2021年より経団連から政府主導に変わっています。現在も就活ルールは存在していますが、遵守しない企業に対して罰則等はありません。通年採用など採用活動の多様化が広がるなか、事実上は形骸化が進んでいると言われています。
大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について
(引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184189_00002.html)
パンデミックをきっかけに生じた学生の意識変化
コロナ禍の「会えない」状況は、オンラインの採用活動が多くの企業に広がるきっかけとなりました。学生は費用と時間の節約により、多くの企業と接点が持てるようになっています。企業にとっても、場所の制限を受けずに多くの学生と接点を持てるようになり、お互いにオンライン就活のよさを享受できていると言えそうです。
一方、再開された大規模説明会などの参加人数は、回復傾向にあるようです。企業の雰囲気や、自分と同じく就活をしている学生の熱量を肌で感じられるなど、学生はリアル対面のよさを改めて感じているようです。企業にとっても、学生の反応を対面で確認しながらの会話は、よりよい採用判断と質の高い採用活動につながると考えられます。オンラインのやりとりだけでは伝わらない、お互いのよさがあるようです。
新卒採用における各社の新型コロナウイルス流行への対策とは?大型合説の中止やオンライン選考の導入が活発化
(引用:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/b-contents-newgrad-shingatakoronataisaku_200326/)
“就活” 就職活動が本格的にスタート 来春卒業の大学生など
(引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230301/k10013994791000.html)
インターンシップから採用活動は始まっている
採用活動で見逃してはいけないのがインターンシップ。HR Proの調べでは、インターンシップの参加率は上昇しているようです。そして2022年6月、政府主導のもとインターンシップに関するルールが改定されています。以前は認められていなかったのですが、インターンシップで得た学生の個人情報を、採用活動に活用することが可能となりました。対象となるのは、25卒生以降の学生です。
一定の要件を満たす必要はありますが、インターンシップを通してビジネス現場を経験した学生へ積極的にアプローチできるのは、企業にとってもメリットが大きいのではないでしょうか。内定の早期化が進んでいる中、インターンシップが採用活動の主戦場と考える企業もあるようです。
24卒生のインターンシップ参加率は8割以上に。今後参加したいプログラムの特徴は、「複数日程からの選択」や「対面実施」など
(引用:https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=2058)
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
(引用: https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220613002/20220613002-1.pdf)
25卒より「インターンシップで取得した学生情報」が採用活動で利用可能に。政府が示した要件や、企業が行うべき準備とは
(引用:https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2850)
まず、学生の行動を想定し、自社の採用活動のアウトラインを描く
就活ルールの変化やインターンシップも含めた事実上の採用活動の早期化、コロナ禍による影響など、採用活動をとりまく環境は変化を続けています。では、企業は、どうアクションしていけばいいでしょうか。
採用活動が多様化しても、学生へのアプローチは基本的には変わらないと私たちは考えます。まずは、ターゲットとする学生の活動を想定し、自社のアクションと照らし合わせ、具体的なアプローチや施策のアウトラインを考えることから始めるのがよいと考えます。
下の表で、学生の就職活動に向けた、大学3年と4年の主な活動と、企業のアクションを挙げてみました。あくまで、一般的な例ですが、参考にしてください。
大学3年と4年の主な活動と、企業のアプローチ・施策の例
3年次 | 4年次 | |
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学生 |
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企業 |
|
|
※上記は一例であり、実際の活動内容を保証するものではありません。
次に、採用サイトを見直し、整備する
さて、次のアクションはどうすべきでしょうか。私たちは、採用サイトを見直し、整備していくことが大切と考えます。
採用活動において、オフィシャルな情報を発信する採用サイトは必要不可欠なツールであることは変わりません。昨今、さまざまな採用手法、ツールなどが登場していますが、徒に飛びつくのではなく、採用サイトを整えることで、大きく二つの効果を期待できます。
①自社の採用ブランディングが高まる
学生の就職活動が変わっても、企業が打ち出す採用ブランディングの重要性は変わりません。採用サイトを通して、自社の強みやビジネスモデルを紹介し、学生に興味を持ってもらうことが可能です。
座談会や社員紹介のコンテンツを通して社風を伝えることで、より自社の魅力訴求が可能となります。また、学生が働きたいと思う企業像も変化が出てきます。
仕事の内容、待遇や条件、自分の志向と合うかなどはもちろん、最近では企業の社会的貢献性も重視するようになりました。学生の志向を考慮したコンテンツを採用サイトで発信できれば、自社に興味を持ってもらうのに効果的です。採用ブランディング戦略については、こちらで紹介していますので、あわせてご覧ください。
勝てる採用ホームページ/採用サイト制作(その1) ― 「採用ブランディング」で、出会える、惚れさせる、辞めない新卒採用を。
(引用:https://www.climarks.com/column/column/20180829.html)
②採用活動の変化に対応可能
これまで見てきた就活ルールの変化などの影響により、企業の採用活動も変化しています。コロナ禍のような社会情勢によって、求める人物像や条件が変化する企業もあるでしょう。
そのような状況にあって、学生に向けて最新のオフィシャルな情報を伝える採用サイトは、学生とのコミュニケーションで重要な意味を持ちます。採用サイトには、さまざまな採用活動を支援する役割を持たせることができるため、「採用プラットフォーム」となり得るからです。
例えば、採用イベントで説明する内容や、コーポレートサイトなど他ツールで伝える情報を切り分けることで、自社の魅力をよりわかりやすく、効果的に伝えることができます。また、採用サイトを活用して、学生が自分の予定に合わせて情報収集することも可能です。
先ほどあげた学生の活動などを参考に、学生向けに情報設計された採用サイトは十分効果的な採用ツールとなります。また、自社の言いたいことだけを伝えるのではなく、学生に向けて企業の本質を伝え、共感接点を打ち出したコンテンツは、「この会社で仕事がしたい!」と学生を強くモチベートさせることができます。
新しい採用手法を検討する
学生の活動を把握、自社のアクションのアウトラインを描き、採用サイトの見直し、整備に着手したら、新しい採用手法を検討していきましょう。次回のコラムでは、採用サイト以外のさまざまな新しい採用手法を紹介していきます。
【後編コラムはこちら】
採用サイトだけじゃない!新たな手法で厳しい採用状況に立ち向かう、企業の取り組み事例
採用サイト制作
採用活動で必須となる採用サイト制作をHR領域に精通した制作スタッフ(ライター・デザイナー含む)が本質的な採用成功を実現する為にトータルでご支援します。
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