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UIデザイナーとは?Webデザイナー・UXデザイナー・エンジニアとの“守備範囲の違い”を整理して依頼先を間違えない

「結局、誰に頼めばいいの?」UIデザイナー選びに迷うあなたへ

「Webサイトやアプリのデザインを外注したいけれど、UIデザイナー・Webデザイナー・UXデザイナー・エンジニアと候補が多すぎて、結局誰に頼めばいいのか分からない」——制作の発注を検討する多くの方が、この入口でつまずきます。職種名は似ているのに守備範囲は微妙に違い、依頼先を間違えると「思っていた成果物と違う」というすれ違いが起きてしまいます。本記事では「UIデザイナーとは」という基本の定義からスタートし、隣接する職種との違いを発注者の視点で整理します。あわせて、これからこの分野でキャリアを考える初学者が進路を選ぶための道筋も示します。読み終えるころには「自社のこの課題は、どの職種に依頼すべきか」がはっきり判断できるようになっているはずです。

UIデザイナーとは何かを発注者目線で正しく理解する

UIデザイナーとは、ユーザーが画面上で直接触れる操作部分(ユーザーインターフェース)を、見やすく・使いやすく設計する専門職です。発注者の立場で言い換えると、「完成した画面が、利用者にとってストレスなく操作できる状態になっているかどうか」を担保してくれる職種、と理解すると分かりやすくなります。

この理解が重要なのは、UIという言葉が曖昧なまま発注すると、期待と成果物がずれてしまうからです。UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略で、スマートフォンアプリの操作画面、Webサイトのボタンやメニュー、入力フォーム、家電の操作パネルなど、人とサービスが接触する“境界面”すべてを指します。つまりUIデザイナーは、単に「見た目をきれいにする人」ではなく、利用者が迷わず目的を達成できる導線を、ビジュアルとして形にする人なのです。ここを「おしゃれにしてくれる人」とだけ捉えていると、発注時に伝えるべき要件が抜け落ちてしまいます。

具体的にUIデザイナーが担当する仕事内容を見てみましょう。ボタンの大きさ・位置・色、文字フォントや行間、アイコンの形、画面全体のレイアウト、余白の取り方、押せる場所と押せない場所の見分けやすさといった要素を、一つひとつ設計していきます。さらに、ボタンを押したときにどう反応するか(色が変わる、画面が切り替わるなど)といった操作のフィードバックも検討範囲です。これらは感覚的に決めているように見えて、実際には「利用者がどこを見て、次に何をしたくなるか」という行動の予測に基づいて組み立てられています。

ここで発注者が押さえておきたい注意点があります。UIデザインの良し悪しは、見た目の華やかさだけでは判断できないということです。たとえば、ネット予約を中心に集客しているサービス業の会社が、デザイン性の高さだけを評価して発注したとします。完成した画面は美しいものの、予約ボタンが背景に溶け込んで見つけにくく、利用者が途中で離脱してしまう——こうしたケースは一般論として起こりえます。だからこそ発注者は「美しさ」と「使いやすさ」は別の指標であると認識し、UIデザイナーに対しては「誰が、どんな状況で使う画面か」を具体的に共有することが大切です。

UIデザイナーが使う代表的なツールにも触れておきましょう。現在の主流はFigmaで、複数人が同時に同じデザインを編集・確認できることから、発注者がレビューに参加しやすいのも特徴です。かつてはAdobe XDも広く使われていましたが、2023年ごろからは新機能の開発が止まり(メンテナンスモード)、現在の新規プロジェクトではFigmaが事実上の標準になっています。IllustratorやPhotoshopは、UI設計そのものというより、ロゴや写真など素材の作成・加工に補助的に使われるツールです。発注者がこれらのツール名を知っておくと、納品形式の相談や修正のやり取りがスムーズになります。UIデザイナーの仕事内容を理解するうえで、こうしたツールの存在も併せて押さえておくと、依頼の解像度がぐっと上がります。

まとめると、UIデザイナーとは画面の操作性そのものを設計する専門職であり、発注者は「見た目」だけでなく「使いやすさ」を任せられる相手として位置づけるべき存在です。この前提を踏まえたうえで、次章からは隣接する職種との違いを一つずつ整理していきます。その前に、これから比較する5つの職種の守備範囲を一枚の早見表で俯瞰しておきましょう。

5職種の担当領域・頼むべき場面の守備範囲早見表

この表を手元に置きながら読み進めると、「この課題はどの職種に頼むべきか」が判断しやすくなります。それぞれの違いを以下で詳しく見ていきましょう。

UIデザイナーとUXデザイナーの違いをどう線引きするか

UIデザイナーは「画面という点」を、UXデザイナーは「体験という線・面」を担当すると捉えると、両者の違いがクリアになります。「UI/UXデザイナーとは」という形で同時に検索されることが多いほど両者は混同されやすいのですが、守備範囲は明確に異なります。

この違いを理解する必要があるのは、解決したい課題によって頼むべき相手が変わるからです。UXとは「User Experience(ユーザー体験)」の略で、利用者がサービスを知ってから、使い、満足する(あるいは離れる)までの一連の体験全体を指します。UXデザイナーは、そもそも「利用者はどんな課題を抱えていて、サービスのどの順番で何を感じるか」という体験の設計図を描く職種です。一方UIデザイナーは、その設計図に沿って、個々の画面を具体的なビジュアルとして形にします。つまりUIはUXの一部であり、UXという大きな枠の中の最終的な仕上げ工程をUIが担う、という関係です。

具体例で考えてみましょう。たとえば、学習塾を運営する会社が、新しい受講申し込みサービスを立ち上げるとします。このとき「申し込みが面倒で途中でやめる人が多い」という課題があるなら、まず必要なのはUXデザイナーの視点です。利用者がどこでつまずくのかを調査し、申し込みのステップ数を減らす、入力項目の順番を見直す、といった体験全体の改善設計を行います。そのうえで「各画面のボタンや入力欄をどう配置すれば迷わないか」を形にするのがUIデザイナーの仕事です。順番としては体験の設計(UX)→ 画面の設計(UI)という流れになります。ただし実際のプロジェクトでは、この流れは一方通行とは限りません。UIを作る過程で「やはり体験設計から見直したほうがよい」と気づき、UXに立ち返ることもあり、両者を行き来しながら(反復しながら)仕上げていくのが一般的です。

発注者が陥りやすい失敗は、体験設計が必要な課題なのにUIデザイナーだけに依頼してしまうことです。画面を美しく整えても、そもそもの手順が複雑なままでは根本解決になりません。逆に、すでに体験の流れが固まっていて「あとは画面を作り込むだけ」という段階なら、UXデザイナーを大々的に巻き込む必要はなく、UIデザイナーへの依頼で十分なこともあります。自社の課題が「流れ」の問題か「画面」の問題かを見極めることが、依頼先を間違えない第一歩です。

実務上は、UIとUXを一人で兼任する「UI/UXデザイナー」も多く存在します。中小規模のプロジェクトでは、体験設計から画面デザインまで一気通貫で任せられるため効率的です。ただし大規模なサービスや、調査・分析を厚く行いたい場合は、UXに特化した人材とUIに特化した人材を分けて配置するほうが質が上がる傾向があります。発注者としては、依頼候補者が「UIだけ」「UXだけ」「両方」のどこを得意とするのかを面談時に確認しておくとよいでしょう。

リスクの観点も補足します。UIとUXの境界を曖昧にしたまま発注すると、「調査やワイヤーフレーム(画面の骨組み図)は自社で用意する前提だったのに、デザイナーは作ってくれると思い込んでいた」といった担当範囲の取りこぼしが起こります。契約前に「どこからどこまでが今回の依頼範囲か」を文章で明確にしておくことが、無用なトラブルを防ぎます。まとめると、UXは体験の全体設計、UIはその仕上げとしての画面設計であり、課題の性質を見極めて依頼先を選ぶことが肝心です。

UIデザイナーとWebデザイナーの守備範囲はどこで分かれるのか

両者の違いを一言で言えば、Webデザイナーは「Webサイトを成立させる総合職」、UIデザイナーは「操作性に特化した専門職」です。両者は重なる部分が大きいぶん、発注時にもっとも混同されやすい組み合わせでもあります。

両者が混同されるのは、どちらも「画面を見やすくきれいに作る」という共通点を持つからです。しかし守備範囲を細かく見ると差があります。Webデザイナーは、サイト全体のビジュアルコンセプト、配色やトーン、写真やイラストの選定、バナー制作、さらにはHTML/CSSによるコーディング(デザインをブラウザで表示できる形にする作業)まで担当することが少なくありません。つまりWebデザイナーは「Webサイトという制作物を一通り仕上げられる幅広さ」を持っています。対してUIデザイナーは、Webに限らずアプリや業務システムなど媒体を問わず、「利用者が操作する部分の使いやすさ」を深く掘り下げる専門性を持ちます。

具体的に発注の場面で考えてみましょう。たとえば、地域で人気の飲食店が、お店の魅力を伝えるコーポレートサイトを新しく作りたいとします。この場合、料理写真の見せ方や世界観の演出、ブランドの雰囲気づくりが成果を大きく左右するため、ビジュアル全体を統括できるWebデザイナーが適任です。一方、同じ会社が「ネット注文の画面でカートに入れる操作が分かりにくく、注文が完了しない」という課題を抱えているなら、操作導線の改善が中心になるためUIデザイナーの出番です。同じ会社の依頼でも、課題が「世界観の表現」か「操作のしやすさ」かによって、最適な担当者は変わります。

ここで発注者が知っておくべき注意点があります。Webデザイナーは守備範囲が広いぶん、UIの専門的な深掘りまでは手が回らないことがあるという点です。逆にUIデザイナーは操作性に強い一方で、コーディングやブランディング全般までは担当しない場合があります。そのため「サイト全体の世界観も整えたいし、操作性も徹底的に高めたい」という欲張った要件を一人に丸投げすると、どちらかが薄くなるリスクがあります。規模や予算に応じて、Webデザイナーとして全体を任せるのか、要所でUIデザイナーを加えるのかを設計することが大切です。

近年の傾向として、両者の境界はやや流動的になってきています。Webサイトもアプリのように複雑な操作を伴うようになり、Webデザイナーにもユーザーインターフェースの知識が求められる場面が増えました。逆にUIデザイナーがWeb案件を担当することも一般的です。そのため肩書きだけで判断せず、過去の制作実績(ポートフォリオ)を見て「この人は世界観づくりが得意なのか、操作設計が得意なのか」を見極めるのが実務的な選び方になります。「UIデザイナーとは」を調べる過程でWebデザイナーとの違いに迷ったら、肩書きより実績で判断する、と覚えておくとよいでしょう。

まとめると、Webデザイナーはサイトを丸ごと仕上げる総合力、UIデザイナーは操作性を深掘りする専門力という違いがあります。発注者は自社の課題が「サイト全体の表現」か「特定画面の操作改善」かを切り分け、必要なら両者を組み合わせて発注することで、過不足のない成果物に近づけます。

UIデザイナーとUIエンジニアの違いを技術の観点から整理する

UIデザイナーが「どう見せ、どう操作させるかを設計する」のに対し、UIエンジニアは「その設計を実際にブラウザやアプリ上で動くように実装する」という役割分担になります。「UIエンジニアとは」という疑問を持つ方も多いので、ここで技術の観点から整理しておきます。

この違いの理解が大切なのは、デザインデータがそのままサービスとして動くわけではないからです。UIデザイナーが作るのは、あくまで「完成イメージの設計図」です。それをHTML・CSS・JavaScriptといったプログラム言語で組み立て、クリックすると反応する、スクロールすると要素が動くといった実際の挙動を作り込むのがUIエンジニア(フロントエンドエンジニアと呼ばれることもあります)の役割です。設計図を描く人と、それを建てる人が分かれていると考えると分かりやすいでしょう。

具体例で見てみましょう。たとえば、不動産会社が、物件検索サイトに「条件を絞り込むと一覧がリアルタイムで切り替わる」機能を加えたいとします。このとき、どんな絞り込み項目をどう配置し、結果がどう表示されると見やすいかを設計するのがUIデザイナーです。そして、その絞り込み操作に応じて実際に画面が滑らかに更新される仕組みをプログラムで実装するのがUIエンジニアです。デザインがどれだけ優れていても、動きの実装が伴わなければサービスとしては完成しません。両者の連携があって初めて、利用者が触れる画面が機能します。

発注者にとってのリスクは、この役割分担を見落として「デザインさえ発注すれば動くものが納品される」と誤解することです。デザイン制作だけを依頼した場合、納品物はデザインデータであって、動くサイトやアプリではないことがあります。たとえば、UIデザイナーにアプリ画面の制作だけを依頼し、エンジニアへの実装依頼を別途行う必要があると気づかないまま進めると、「デザインはあるのに動くものがない」という事態に陥りかねません。発注時には「デザインまでなのか、実装して動く状態までなのか」を必ず確認しましょう。

注意点として、デザインとエンジニアリングの“受け渡し”の品質も成果を左右します。UIデザイナーが、実装のしやすさを考えずに細部を作り込みすぎると、エンジニア側で再現が難しくなったり、開発工数が膨らんだりします。逆に、エンジニアがデザインの意図を汲まずに実装すると、意図した使いやすさが損なわれます。そのため、両者がFigmaなどのツールやデザインシステム(部品やルールを共通化した仕組み)を介して密に連携できる体制が望ましいです。発注先を選ぶ際は、デザインと実装の橋渡しがスムーズに行えるかどうかも確認ポイントになります。

近年はノーコード・ローコードツールや、デザインから自動でコードを生成する技術が進化しており、デザインと実装の境界は徐々に近づいています。とはいえ、複雑で品質の高いサービスほど、設計(UIデザイナー)と実装(UIエンジニア)双方の専門性が引き続き求められます。まとめると、UIデザイナーは設計、UIエンジニアは実装という分担であり、発注者は「どこまでを依頼するのか」を明確にすることで、納品物のギャップを防げます。

UIディレクターの役割と、現場をまとめる立場の必要性

UIディレクターは、複数の専門職をまとめ、プロジェクト全体のUI品質と進行を統括する指揮役です。「UIディレクターとは」という疑問は、ある程度規模の大きい発注を検討する段階で出てくることが多いものです。

ディレクターという立場が必要になるのは、UIデザイナー・UXデザイナー・エンジニアなど複数の専門職が関わるプロジェクトでは、誰かが全体の方向性を統一し、スケジュールや品質を管理しなければ、成果物がちぐはぐになるからです。各専門職はそれぞれの領域に集中するため、「サービス全体として一貫した使いやすさになっているか」「納期に間に合うか」「発注者の要望が正しく反映されているか」を横断的に見る人が必要になります。それを担うのがUIディレクター(案件によってはWebディレクターやUXディレクターと呼ばれることもあります)です。

具体例で考えてみましょう。たとえば、複数店舗を展開するサービス業の会社が、Webサイトと予約アプリを同時にリニューアルする大型プロジェクトを進めるとします。デザイナーが複数名、エンジニアも複数名関わり、さらに発注者側の担当部署も複数あるような状況です。このとき、それぞれが個別に作業を進めると、画面ごとにボタンの位置や言葉づかいがバラバラになり、利用者が混乱しかねません。UIディレクターが全体の指針(デザインの統一ルールや進行管理)を定め、各担当の成果物をすり合わせることで、サービス全体として筋の通った使いやすさが保たれます。

発注者にとっての利点は、窓口が一本化されることです。複数の専門職に個別に連絡を取り、それぞれに要望を伝えるのは大きな負担です。UIディレクターが間に立てば、発注者は要望をディレクターに伝えるだけでよく、ディレクターが各専門職に適切に展開してくれます。逆に言えば、小規模な案件でディレクターを置くとコストが過剰になる場合もあるため、プロジェクトの規模と関わる人数に応じて要否を判断するのが現実的です。一人のUI/UXデザイナーで完結する小さな案件なら、専任ディレクターは不要なことも多いでしょう。

注意点として、ディレクターの力量がプロジェクト全体の質を大きく左右します。指揮役が要望を正確に理解せず各担当に伝えてしまうと、せっかくの専門職の力が空回りします。発注者としては、ディレクターと最初の段階で「このサービスで何を一番大切にしたいか」をしっかり共有し、認識をそろえておくことが重要です。また、ディレクターが現場の専門知識(UIやエンジニアリング)をある程度理解していると、各担当との会話がかみ合いやすく、判断も的確になります。

キャリアの観点から補足すると、UIディレクターは多くの場合、UIデザイナーやWebデザイナーとしての実務経験を積んだうえで、マネジメントや全体設計の役割へ広がっていくポジションです。つまり初学者がいきなり目指す職種というより、現場経験の延長線上にあるキャリアの一つと捉えるとよいでしょう。まとめると、UIディレクターはプロジェクトの規模が大きくなるほど価値を発揮する統括役であり、発注者は案件の規模に応じてその要否を判断することが大切です。

この課題はどの職種に頼むべきか、発注者のための判断軸

依頼先を間違えないコツは「職種名で選ぶ」のではなく「自社の課題の性質で選ぶ」ことです。ここまで4つの隣接職種との違いを見てきましたが、最後に発注者がすぐ使える判断軸として整理します。

課題起点で考えるべきなのは、職種の肩書きが会社や人によって定義が揺れるからです。同じ「UIデザイナー」でも、UXまで踏み込む人もいれば、画面の仕上げに特化する人もいます。肩書きだけで選ぶと、期待とのズレが生まれます。そこで、まず自社が解決したいことを言語化し、その性質に合った職種を当てはめるという順序が有効です。

制作フロー上の各職種の守備範囲を示した図

この流れのように、UXデザイナーが「なぜ・何を」を決め、UIデザイナーが「どう見せ・どう操作させるか」を設計し、UIエンジニアがそれを動く形にします。Webデザイナーは見た目・表現を主に担い、UIディレクターは全体を統括します。自社の課題がこの流れのどこにあるのかを見極めると、頼むべき相手が自然に絞り込めます。

具体的に課題ごとの対応関係を、文章で整理してみます。まず「サービスの使われ方そのものを見直し、利用者がつまずく流れを根本から改善したい」という課題なら、体験全体を設計するUXデザイナーが中心になります。次に「流れは決まっていて、各画面のボタンや配置を使いやすく仕上げたい」「操作のしやすさを高めたい」という課題なら、操作性に特化したUIデザイナーが適任です。「サイト全体の世界観やブランドの雰囲気を作り込みたい、写真やバナーも含めて一通り整えたい」という課題なら、総合力を持つWebデザイナーが向いています。「デザインはあるが、実際に動くサイトやアプリとして実装したい」ならUIエンジニア(フロントエンドエンジニア)が必要です。そして「複数の専門職が関わる大型案件で、全体の品質と進行をまとめてほしい」ならUIディレクターを立てる、という対応になります。

実際の発注では、課題が一つだけとは限りません。たとえば、精密機器を扱う中堅の製造業の会社が、自社製品の紹介サイトを新規に立ち上げるとします。この場合、「製品の魅力を伝える世界観づくり(Webデザイナー)」「問い合わせフォームの使いやすさ(UIデザイナー)」「実際に動くサイトとして公開する実装(UIエンジニア)」といった複数の課題が同時に発生します。こうしたときは、それぞれの課題を分解し、必要な職種を組み合わせて発注するか、あるいは複数職種を抱える制作会社にまとめて依頼し、全体をディレクターに統括してもらうのが現実的です。課題を分解してから職種を割り当てるという手順を踏むだけで、発注の精度は大きく上がります。

発注時に押さえておきたい具体的な手順も示します。第一に、解決したい課題を「流れの問題」「画面の問題」「世界観の問題」「実装の問題」「統括の問題」のどれに当たるか分類します。第二に、それぞれに対応する職種を本記事の対応関係から当てはめます。第三に、候補者や制作会社の実績を見て、その職種としての得意領域が自社課題と合っているかを確認します。第四に、契約前に「依頼範囲がどこからどこまでか」を文章で明確にします。この4ステップを踏むことで、「頼んだ相手が違った」という典型的な失敗を避けられます。

注意点として、予算と規模のバランスも忘れてはいけません。すべての職種をフルに揃えれば理想的ですが、コストもかかります。小規模なら兼任できるUI/UXデザイナー一人に絞る、大規模ならディレクターを立てて分業する、というように、自社の体力に合わせて構成を決めることが大切です。まとめると、発注者は職種名ではなく課題の性質を起点に依頼先を選び、課題を分解して必要な職種を組み合わせることで、納得のいく成果につなげられます。

キャリアを考える初学者のための進路の道筋と将来性

最後に、これからこの分野でキャリアを考える初学者に向けて、進路の道筋と将来性を整理します。UIデザイナーは未経験からでも目指しやすく、そこを起点に隣接職種へ広げていけるキャリアの“ハブ”になりやすい職種です。

UIデザインを起点にしやすいのは、成果物が画面という目に見える形で残り、学習の手応えを得やすいうえに、FigmaをはじめとするツールやオンラインのUI教材が充実しているからです。プログラミングほど学習の初期ハードルが高くなく、デザインの基礎(配色・レイアウト・タイポグラフィ)を学びながら、実際に画面を作って練習できます。UIデザイナーの仕事内容を実際に手を動かして体験できるため、自分に向いているかを早い段階で確かめやすいのも利点です。

具体的な進路の分岐を見てみましょう。UIデザイナーとして基礎を固めたあと、利用者の課題分析や体験設計に興味が湧けばUXデザイナーへ、サイト全体の表現やブランディングに惹かれればWebデザイナーへ、画面を実際に動かす技術に関心が向けば学習を重ねてUIエンジニアへと進む道があります。さらに経験を積んでチームをまとめる立場になればUIディレクターへとつながります。つまりUIデザイナーは、そこから複数方向へ枝分かれできる結節点になりうるのです。自分がどの作業に夢中になれるかを観察することが、進路選びのヒントになります。

学習方法の選択肢にも触れておきます。独学では、書籍やオンライン教材で基礎を学び、既存のアプリやサイトを真似て作る「模写」で実践力を養うのが王道です。より体系的に学びたい場合は、デザインスクールや専門学校で、現役デザイナーの指導を受けながらポートフォリオ(作品集)を作る方法があります。どの道を選ぶにせよ、就職・案件獲得の決め手になるのはポートフォリオです。資格よりも「実際に何を作れるか」が評価されやすい分野なので、早い段階から作品を積み上げることをおすすめします。

将来性についても見ておきましょう。スマートフォンやアプリ、Webサービスが生活に欠かせなくなった今、使いやすい画面を設計できる人材の需要は底堅く推移しています。一方で、デザインから自動でコードを生成する技術や、デザイン作業を補助するツールも進化しており、単純な作業は徐々に効率化されていくと見られます。だからこそ今後は、「ただ画面を整える」だけでなく、利用者の課題を理解し、体験全体を考えられるUIデザイナーの価値がより高まっていくでしょう。ツールに代替されにくいのは、人の行動を読み解き、目的に沿って設計する思考力の部分です。

注意点として、初学者が焦って肩書きだけを追い求めるのは禁物です。大切なのは、まず一つの領域(多くの場合UIデザイン)で確かな実力をつけ、そのうえで隣接領域へ広げていくことです。まとめると、UIデザイナーは未経験から始めやすく、将来の選択肢を広げやすい職種であり、ポートフォリオを軸に実力を積み上げることが、変化の時代を生き抜くキャリアの土台になります。

まとめ

ここまで「UIデザイナーとは」という基本から、UXデザイナー・Webデザイナー・UIエンジニア・UIディレクターという隣接4職種との守備範囲の違い、そして発注者が「どの課題をどの職種に頼むべきか」を判断する軸までを整理してきました。

要点は、職種名で選ぶのではなく、自社の課題を「流れ・画面・世界観・実装・統括」に分解し、その性質に合った職種を当てはめることです。この一手間が、依頼先のミスマッチを防ぎます。今すぐ取り組むべき理由は明確です。デザインや制作の発注は、最初の依頼先選定でつまずくと、やり直しの時間とコストが大きく膨らむからです。

まずは自社が抱える課題を紙に書き出し、本記事の対応関係に当てはめてみてください。そのうえで、複数の専門職を見渡せる制作パートナーに相談すれば、最適な布陣を一緒に設計できます。依頼先の選び方やUIデザインの進め方にご不安があれば、クライマークスにお気軽にご相談ください。キャリアを考える方も、まずは小さく画面を作ってみることから始めてみましょう。最初の一歩が、確かな進路につながります。

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