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Journal

クライマークス社員のノウハウを、コラム、ケーススタディ、インタビューなどでご紹介

@RefreshRoom

 

“お客さんが自分事として考えられる情報設計”を実現したくて。

参加者プロフィール

  • ディレクター、D3マネージャー: 中村

    ディレクター、
    D3マネージャー
    中村

  • ディレクター: 林

    ディレクター

  • ディレクター: A

    ディレクター
    A

  • プランナー: 秋場

    プランナー
    秋場

クライマークスのリフレッシュルームで聞こえてくるような、「雑談以上、プロジェクト案件未満」の話。今回は、「ディレクション3部(D3)」が手掛けたあるサービスサイトのプロジェクトについて、プランナーがオンラインで話を聞いています。

ワークショップ形式で、お客さんと一緒に情報設計を考えるのはどうだろう。

秋場

今日は時間つくってくれてありがとうね。D3がプロジェクトで面白いことをやっているって聞いたんで、ちょっと話を聞かせてください。
確か、あるサービスサイトをつくるのに、お客さんとワークショップしながら情報設計をしたんだよね?

A

そうですね。

秋場

そもそも、何でやろうと思ったの?

A

要件定義で筋道を作って進めてきても、プロジェクトが進んでくると――情報設計あたりですかね、まるでリセットされたように、サイトのコンセプトやゴールから外れていくご要望が増えてしまう。そういうことって、あるじゃないですか?

秋場

まあ、あるよね。

A

それって、どうしてだろう?って、ずっと考えてたんですね。で、やっぱり人って話を聞いただけだと、最初は納得してても記憶に残りづらいんじゃないかなって。私も体験記憶じゃないとダメなタイプなので、よくわかるんです。
ただでさえ情報設計って、お客さんにとってデザインを見せる前で想像もつきづらく、興味も持ちづらい工程。だから尚更ですよね。それなのに、私たちはこの業界で長年やってるからこそ、勝手に当たり前と思ってしまって、細部を噛み砕かずに説明してしまう。そういうこともあったりします。
だから、お客さんが自分事としてとらえられて、きちんと納得できるように、ワークショップ形式で同じ視点に立って一緒に情報設計を考えるのもありかなって思ったんです。

クライマークス D3

私たちはWebのプロ。お客さんはビジネスのプロ。一緒に考えればいいものができるはず。

秋場

なんで、今回の案件でやってみようと思ったの?

A

まず、お客さんに、Webプロジェクトの経験がそれほどなかったんですね。だから尚のこと、サイトの目的とご要望の内容があまりうまくリンクしていないところがありました。それに、最初のほうの打ち合わせで、自分たちのサービスをどう訴求すべきか考えあぐねてる印象も持ちました。
もちろん、お客さんはいいサイトをつくりたいと思って、私たちに制作を依頼してくれます。だからこそ、Webのプロの視点でちゃんとリードして、お客さんが求めている本当に効果があるサイトを実現してあげたいと思いました。
一方で、お客さんはその業界でビジネスをやっているプロです。サイトを使用するエンドユーザーを一番よく知っているからこそ、その視点からアイデアを出してもらうことで、より効果を発揮できる、お客さんが求めていたサイトになるって思ったんです。
だから、D3のグループ会議で「このプロジェクトではワークショップでお客さんと一緒に情報設計を考えたい」って言いました。

Aさんから話を聞いたときは、単純にいいなと思いました。で、「どうせなら、D3全員でやってみようよ」って。
ディレクター同士が必要以上に同じ案件に入るのって少ないじゃないないですか?僕は、ほかのディレクターの考えとか進め方とかを知りたいと前から思ってたんで。

中村

自分は、みんなが当たり前と思っていることや、案件についての見方、関わり方を変えてみることが大事だと思ってたので、「じゃあ、やってみよう」と。
手法については一切口は出してません。基本的にはチーム内で全部考えてもらいました。

お客さんがアイデアを出しやすいようにテンプレを作成。社内リハーサルも実施。

秋場

実際、どうやって進めていったの?

A

ワークショップでやったのは、サイト上では、どんな情報を、どういう順番や構成でユーザーに提供していくべきか考えること。
そのためのテンプレートとなるパーツを、まず用意しました。気を付けたのは、お客さんがいろんな選択肢を持ってアイデアを出しやすくするってところですね。
サービスの訴求や説明にはさまざまな要素が必要なので、「サービスの概要」「コンセプト」「特徴」「補足説明」「ユーザーの疑問解消」など、いくつかのグループに分けて、他の参考サイトからキャプチャを取ってパーツ化。それらを、プロトタイピングツールのAdobe XD上にレイアウトしていけるように準備しました。それで、まずは白紙の状態からユーザーの視点に立って、どんな情報をどのタイミングで提供するべきか考えられるようにしました。
こんな感じで、まずは社内でリハーサルもやったんですよ。

テンプレを見たときは、シンプルに面白いなと思いましたね。みんなで盛り上がりました。

A

「自分だったらこうするな」って意見が、何通りも出てきましたね。それをもとにパーツのキャプチャ画面を増やしたり、いろんな思考パターンを想定してブラッシュアップ、本番に臨んだ感じです。

当日は、オフラインとオンラインで議事進行。

秋場

ワークショップ当日はどんな感じだったの?

お客さん先とオンラインを結んで進行しました。お客さん側の参加者は3人。クライマークスで現地に行ったのは、ディレクターは僕と中村さんともうひとり、担当プロデューサーも参加しています。

A

オンラインで参加したのは、私ともうひとりのディレクター。私がXDを現地と画面共有しながら進行しました。
まず、前提条件としてターゲット像をすり合わせた後、ワークショップの意義や注意点を説明しました。「サイトのあるべき姿は、自分たちの言いたいことを一方的に伝えるのではなく、ユーザー視点でほしい情報を適時適切に提供すること」とか、「ユーザーのニーズは、私たちよりもみなさんの方が理解しているので、ターゲットユーザーの心情や状況に寄り添って考え、サービス導入つながる情報提供は何かを教えてください」とか。「ユーザー視点で」ってところは、特に念入りに説明しました。

ユーザー視点に立ち戻れるように、メンバー全員でお客さんをリード。

ただ、最初はユーザー視点でワークをやっていても、途中から自社視点に戻るってことが結構あって。

A

ありましたね。でも、現場にいるメンバーが、上手く指摘したり、促したりしてくれました。社内でリハーサルをやっていたから、どうお客さんを導いていけばいいのか、それぞれが頭の中にイメージできてたみたいです。
1時間半くらいはやったのかな。最後には、ワイヤーフレームのもとになるものをつくることができました。

秋場

お客さんの反応はどうだった?

ワークショップ中は、最初は戸惑ってたみたいでしたが、流れをつかんでくると、どんどん活発に意見が出るようになりました。
途中からは、「ここが会社的にすごいから、アピールしたい」ではなく、「私がユーザーなら、ここに興味を持つかなあ?」と、お客さん自身がユーザーの気持ちになって話してくれるようになりました。
ワークショップの後で結果を整理、ワイヤーフレームを作成して見せたら、自分たちが考えたものが形になったと実感したみたいです。すごく喜んでもらいました。

秋場

それは嬉しいね。

あと、デザインなどもだいぶ固まった段階で、最終承認を得るために社長に説明する機会があったんです。
「ここは何でこうなの?」といろいろ質問が出ましたが、ワークショップをやっていたから「こう考えて、話の結果方向性がこうなり、みんなですり合わせてこうなりました」と説明できた。
僕だけじゃくて、担当の方も一緒に社長に説明してくれて。なんか、チームって感じで。結果、大きな変更もなく承認をもらえました。

クライマークス 林

ワークショップ後、社内でブレストしながら、コンセプト、MV、コピーを作成。

秋場

あと、ブレスト形式でコンセプト、メインビジュアル(MV)、コピーをつくったんだよね?

A

そうですね。ワークショップが終わってから取り掛かりました。
メンバーにデザイナーも加わって、まずは、キーワードを選定。各自がそのサービスを学んで感じたことを、ばーっと言葉にしてみました。
そこから、コピーで表した方がいいこと、ビジュアルで表した方がいいことなどにグループ分け。それをお客さんに見せて、特に強調したい部分や外してもいい要素などをすり合わせ、最終的なキーワードを絞りました。
それをもとに、最後は社内コンペ形式でコピー案出し。デザイナーも、ディレクターも参加して、みんなで考えてみんなで投票、表現の方向性を分けた5案に絞ってお客さんに提案しました。

僕が出したコピーをお客さんが選んでくれて、コンペは僕が優勝(笑)。ただ、5案ともよかったとお客さんには言われましたよ。

コンセプトから一緒に考えて、デザインやコピーに落としていったから、一本筋の通ったサイトができた。

秋場

面白い取り組みだったね。やってみてどうだった?

ワークショップでも、みんなでやったコピー案出しでも、人によって本当にいろいろ考えがあるなと実感しました。
ひとりで考えると限界もあるし、時間も限られるけど、一気に「ネタ帳」ができたみたいな感じでした。

A

私は、みんなでお客さんや案件のことを考えられたのがよかったです。
分担じゃなく、全員でコンセプトから考えてコピー案出しまでやった。だから、5案出したコピーも全部評判がよかったんじゃないかな。
何より、お客さんがユーザー視点に立って、納得してブレずに考えたサイトをつくることができました。そのことを、お客さん自身とても喜んでくれて、それが嬉しかったですね。

全員が、お客さんのほうをきちんと向いたプロジェクトになった。

秋場

ヤスくん(中村)は、D3のマネージャーとしてこの取組みをどう思った?

中村

このやり方が全部のお客さんにマッチするわけじゃないけど、情報設計においてのワークショップっていう引き出しが、一挙にメンバー全員にできたのは大きな収穫、経験だったと思います。
特に今回よかったのは、Aさんも言ってたけど、みんながお客さんの方を向いたってこと。全員が、そのサービスはどんなサービスかを理解しながら、同じゴールを見て、同じレベルで会話し、設計していた。それがすごくよかった。
作業はみんなでワイワイやってたし、俯瞰で見てた自分も「いいなあ」って思いましたよ。
目指してるチームの姿はまだまだ形になってないですけど、まずは第一歩かなって。

つくりたいのは、ミニマムなメンバーで案件に取り組む組織。

秋場

「目指してるチームはまだ形になってない」って言ったけど、ヤスくんが目指す組織って?

中村

自分がやりたいのは、ミニマムなメンバーで案件に取り組んで、他の人のやっていることにも目が届く、コミュニケーションが密な組織。
あと、Webを黎明期から見てる身として、時代時代のトレンドってあると思うんです。
今、デザインなのか、UI、課題解決、マーケティングなのか。そのサイクルはグルグル回っていて、例えば、新しいデバイスが出たらUIやデザインに走っていくし、それが蔓延したら数字やデータで解決するマーケティング視点が大事になる――そんな風に、どんどん変わっていく。
だからこそ、今何をお客さんは求めているのか、それを察知するアンテナはチームのみんなに持っていてほしい。当たり前なんてない気持ちで。そのうえで、「今、方向性はこっちだ」ってなったときに、ミニマムな組織ならシフトしやすい。そういう意味でも、密な組織をつくりたいんです。単純に楽しいし。

秋場

なるほどね。

中村

あと、別の観点ですけど、その世代のカルチャーが持つ価値観や考え方があると思ってて。
自分ら上の年代も、頑張ってその時代のものを作ってきたとは思うけど、それを一から教えるんじゃ新しいものは生まれないかなあって。若い層、中堅層のそれぞれのカルチャーが持つ価値観や考え方に、我々の経験値を加えて、アップデートしていったほうがいいんじゃないかと思うんです。
自分はグループのマネージャーですけど、その環境を用意しているって感じが強いんで、手法まで押し付けてはいない。究極、林くんやAさんたちが、お客さんを見て課題の解決法を考えて、やりやすいようにやってくれればそれでいい。背中を押す、責任を取るというか、メンバーのやりたいことを原動力に、いろいろと自分もチームもチャレンジしてみたいって感じですね。

Web制作

大規模コーポレートサイトからサービスサイトやサテライトサイトまで、アートディレクションと情報アーキテクチャ設計を融合した、クリエイティブで訴求力の高いサイトを構築します。また、フロントエンドのみならずバックエンドのシステム構築、デジタルマーケティング支援までを総合的に提供しています。

コーポレートサイト制作

ターゲットユーザーすべてを見据え、競合他社を圧倒する企業・サービスのブランディング確立を目的としたコーポレートサイトを制作します。

サービスサイト制作

Webマーケティングの視点で製品・サービスの訴求ポイントを抽出した上で可視化し、ブランド価値向上やCVにつなげる戦略的なサービスサイトを制作します。

コンテンツ制作

さまざまな表現手法を駆使し、ターゲットに応じた効果的なコンテンツを実現。取材やワークショップなど通じて、0から企業や商品・サービスの魅力を抽出することも可能です。

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