コラム
ディレクション部 ディレクター TA
初心者でもできる!ChatGPTを使った「RFP(提案依頼書)」作成法 ー RFP出力結果のサンプル付き ー
目次
はじめに
新しいプロジェクトを進める際に、外部のベンダーに提案を依頼するために必要なのが「RFP(提案依頼書)」です。しかし、初めてRFPを作成する人にとっては、何をどう書けばよいか分からないことが多いのが実情のようです。どんな内容を盛り込めばベンダーに的確な提案をしてもらえるのか、どのように整理して伝えればよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。
この記事では、初めて企業のWeb担当となった方などRFP作成初心者に向けて、ChatGPTを使って効率的にRFPを作成する方法をご紹介します。
また、この記事では2024年12月現在のChatGPT-4o(無料版)を使用した場合を紹介しています。
ChatGPTの各モデルのカットオフ情報などについては、OpenAIの公式サイトで確認してください。(参照:https://platform.openai.com/docs/models/overview )
RFPとは?
RFPとは、企業が外部のベンダーに対して、あるプロジェクトを実施するための提案を依頼する書類です。RFPを作成することで、ベンダーに具体的な要求事項を明確に伝え、プロジェクトの進行をスムーズにすることができます。また、複数のベンダーから提案を受けて比較・選定する際にも有効です。
RFP作成前に準備すべき情報
RFPを作成する前に、以下のような情報を関係者と定めておきましょう。これらを方向づけてから、RFPの作成を進めるとスムーズです。
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プロジェクトの背景と目的
なぜコーポレートサイトのリニューアルが必要なのか、リニューアルの目的は何かを明確にします。これには、現行サイトの問題点(例:デザインの古さ、ユーザビリティの低さ、モバイル非対応など)や、リニューアル後に達成したい目標(例:ブランドイメージの向上、コンバージョン率の改善、モバイル最適化)なども含みます。
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ターゲットユーザーの特定
新しいサイトのターゲットとなるユーザー層は誰なのかを整理します。例えば、ビジネス向け、消費者向け、国際的なオーディエンスをターゲットにするのかなど、サイトの目的に合わせたターゲットユーザーを明確にします。
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必要な機能の明確化
新しいサイトに必要な機能やコンテンツをリストアップします。例えば、CMS(コンテンツ管理システム)によるサイト更新機能、問い合わせ・資料請求機能、会員登録機能、eコマース機能などが考えられます。
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予算と納期
プロジェクトにかけられる予算と納期を具体的に決めておきます。予算の範囲内で、最良の提案が得られるようにするためにも、具体的な金額を設定しておくことが重要です。
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既存システムや技術要件
既存のCMSやCRMなど、現在使っているシステムや技術スタックがある場合は、それを考慮して要件を整理します。また、新しいサイトに取り入れたい技術やシステム(例:クラウドサービス、データベース、アナリティクスツール)も明確にします。
ChatGPTを利用する際の留意点
ChatGPTを活用してRFPを作成する際には、以下の点に注意しましょう。
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機密情報の取り扱い
プロジェクトに関する機密情報などを取り扱う際は、ChatGPTの設定を確認しましょう。「設定」>「データコントロール」>「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにして、機密情報が外部に流出しないよう配慮してください。これにより、プライバシーを保護しながら情報を処理できます。
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回答内容の正確性
ChatGPTが生成する内容は、あくまで参考材料として活用しましょう。最終的なRFPの内容には、担当者自身の確認と修正が必須です。生成された情報がプロジェクトに適しているか、正確であるかを十分にチェックし、必要に応じて修正を加えてから使用するようにしましょう。
RFP作成のプロセス
RFPを作成するためには、以下の手順を踏んで進めていきます。
ステップ1:RFPに必要な項目を確認する
最初に、RFPを作成するために必要な項目を整理します。初めてRFPを作成する場合、どのような項目を含めるべきかが分からないかもしれませんが、ChatGPTに依頼することで簡単に項目をリストアップすることができます。
質問例:
コーポレートサイトリニューアルのRFPに含めるべき項目は何ですか?
ChatGPTの回答例:
コーポレートサイトリニューアルのRFPには、以下の項目を含めるとよいでしょう:
- プロジェクトの目的と背景
- リニューアルの目的と期待する成果
- 必要な機能・要件
- 予算と納期
- ベンダー選定基準
- 提案書の提出方法
ステップ2:目的と背景を明確にする
プロジェクトの背景や目的は、RFPの中でも重要な部分です。このセクションでは、なぜコーポレートサイトをリニューアルするのか、リニューアル後に期待する成果は何かを明確に記述します。
サイトの役割や状態によって、リニューアルの目的はさまざまでしょうが、ここでは簡略的に、デザインや使い勝手の周辺に絞って解説していきます。
質問例:
現在のコーポレートサイトは、古いデザインとユーザーエクスペリエンスの問題があり、リニューアルの目的は新しいデザインとモバイル対応を改善することです。この目的をRFPにどう記載すべきですか?
ChatGPTの回答例:
プロジェクトの背景と目的
背景:現在のコーポレートサイトは、デザインが古く、ユーザーエクスペリエンス(UX)においていくつかの課題があります。特に、視覚的に時代遅れに感じられ、モバイルデバイスでの表示に最適化されていないため、ユーザーの利便性が損なわれています。
目的:コーポレートサイトのリニューアルにおいては、以下の2つの主要な改善を目指しています。
- 新しいデザインの導入:現代的で魅力的なデザインを採用し、ブランドイメージを強化します。
- モバイル対応の改善:レスポンシブデザインを実装し、すべてのデバイスで快適に閲覧できるようにします。特に、モバイルユーザーの利便性向上に注力します。
ステップ3:機能要件を詳細に記載する
次に、サイトに必要な機能や要件を詳細に記載します。この段階では、ユーザーがどのような体験をするのか、どの機能をサイトに追加したいのかを整理します。
質問例:
リニューアル後に必要な機能として、モバイル対応、SEO、コンテンツ管理システム(CMS)、会員登録機能を含めたいのですが、これらをRFPにどのように記載すべきですか?
ChatGPTの回答例:
サイトの機能要件
リニューアル後に必要な主要な機能は以下の通りです。これらの機能を通じて、サイトのユーザー体験や管理の効率性を向上させることを目指します。
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モバイル対応(レスポンシブデザイン)
- サイトはすべてのデバイス(スマートフォン、タブレット、デスクトップ)で快適に閲覧できるよう、レスポンシブデザインを実装する必要があります。特に、モバイルユーザーの操作性と視認性を最適化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが求められます。
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SEO(検索エンジン最適化)
- サイトのSEOパフォーマンスを向上させるため、検索エンジンに適した設計を行います。具体的には、ページ速度の向上、適切なメタデータの設定、コンテンツの構造化、レスポンシブデザインの実施などが含まれます。また、キーワード調査やSEOに基づいたコンテンツの最適化も必要です。
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コンテンツ管理システム(CMS)
- サイトのコンテンツは容易に更新・管理できるよう、直感的で使いやすいコンテンツ管理システム(CMS)の導入が求められます。クライアント側のスタッフが簡単に記事を投稿したり、ページ内容を変更したりできるようにすることが重要です。推奨するCMS(例:WordPress、Drupalなど)のご提案をお待ちしています。
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会員登録機能
- 会員登録機能を実装し、ユーザーが自分のアカウントを作成、ログイン、プロファイル情報を管理できるようにします。会員専用コンテンツへのアクセスを提供するために、会員情報の管理やパスワードリセット、セキュリティ機能(例:2段階認証)なども必要です。会員向けの特典や通知機能の実装も求めます。
ステップ4:予算と納期を設定する
予算や納期は、プロジェクトにおける現実的な制約を示す重要な情報です。この部分は、実行可能な範囲での提案を引き出すために重要です。
質問例:
コーポレートサイトのリニューアル予算は1000万円以内、納期は6ヶ月を想定しています。この条件をRFPにどう記載すべきですか?
ChatGPTの回答例:
予算と契約条件
予算:コーポレートサイトのリニューアルにかかる総予算は1,000万円以内を予定しています。提案者は、予算内で実現可能な提案をお願い申し上げます。予算にはデザイン、開発、テスト、納品、および必要なライセンス費用、初期のサポートが含まれます。追加費用が発生する場合、事前にクライアントの承認を得る必要があります。
プロジェクトスケジュール
納期:本プロジェクトの納期は6ヶ月以内を予定しています。以下のタイムラインに基づき、主要なマイルストーンを設定します。
- 提案書提出期限:[日付]
- 契約締結:[日付]
- デザイン案の提出:[日付]
- 開発フェーズ開始:[日付]
- テストフェーズ開始:[日付]
- サイトローンチ(納品日):[日付]
ステップ5:ベンダー選定基準を決定する
ベンダー選定基準は、提案を選ぶための重要な要素です。どのような要素を重視するかを明確にし、RFPに記載しておきます。
質問例:
コーポレートサイトリニューアルのベンダー選定基準にはどのような項目を記載すべきですか?
ChatGPTの回答例:
評価基準
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提案内容の適合性
クライアントの要求と目的に適した提案内容か。特にデザイン、機能、技術が必要要件を満たしているか。
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実績とポートフォリオ
類似プロジェクトや成功事例があるか。過去の実績に基づいた信頼性。
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技術力と専門性
必要な技術やツール(CMS、レスポンシブデザイン、SEOなど)の理解と経験。
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プロジェクト管理能力
納期や予算管理に対する対応力。進捗管理と報告体制が整っているか。
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コストパフォーマンス
提案内容が予算内で実現可能か、コストに見合った価値を提供できるか。
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納期遵守の能力
提案された納期内でプロジェクトを完了できるか。
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サポート体制
サイト運用後のサポートや保守が適切に行えるか。
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コミュニケーション能力
クライアントとの円滑な連携とコミュニケーションができるか。
ステップ6:提案書の提出方法を記載する
提案書の提出方法を明確に記載することは、提案を受け付ける際に非常に重要です。提出期限や提出方法(電子メール)、必要な書類や情報(例:企業概要、チーム構成、過去の実績など)を具体的に示します。
質問例:
提案書の提出方法についてRFPにどのように記載すべきですか?
ChatGPTの回答例:
提案書の提出方法
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提出形式
- 提案書はPDF形式で提出してください。
- 提案書に含めるべき項目は、[「提案書の構成」セクション]に記載の通りです。
- 必要に応じて、ポートフォリオや実績紹介資料も添付してください。
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提出先
- 提案書は以下の連絡先に提出してください:
- メールアドレス: [提出先のメールアドレス]
- ファイル名: 提案書のファイル名は「[自社名]_提案書.pdf」としてください。
- ※オンラインプラットフォームを使用する場合は、別途リンクを提供しますので、その際は指定の方法でアップロードしてください。
- 提案書は以下の連絡先に提出してください:
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提出期限
- 提案書の提出期限は**[提出期限の日付]**までとします。期限内に提出された提案書のみを審査対象としますので、提出期限を守るようお願いします。
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提出時の確認
- 提出後、必ず受領確認の返信を依頼してください。受領確認メールが届かない場合は、再度提出を行ってください。
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質問や不明点について
- 提案書に関する質問がある場合は、**[質問受付期間]**までに以下の連絡先までご連絡ください。
- 担当者名: [担当者名]
- メールアドレス: [質問受付用メールアドレス]
- 提案書に関する質問がある場合は、**[質問受付期間]**までに以下の連絡先までご連絡ください。
ステップ7:RFPを清書する
すべての項目を整理し、必要な情報が揃ったら、ChatGPTに清書してもらいます。無料版では清書された出力結果をファイル形式での出力することはできませんが、コピペでそのまま使用できるテキスト形式で結果を出力することができます。
※ここではChatGPTの回答例として、テキスト形式で出力された結果をそのままコピペして作成したPDFファイルをサンプルとして掲載します。
質問例:
以下の内容をもとに、正式な文書として清書してください。
“””
[ステップ6までに出力した結果を転載]
ChatGPTの回答例:
まとめ
RFPは、プロジェクトを外部ベンダーに依頼する際に欠かせない重要なドキュメントですが、初めて作成する際にはその内容をどう組み立てるかに悩むことも多いでしょう。しかし、ChatGPTを活用すれば、効率よく必要な情報を整理し、しっかりとしたRFPを作成することができます。具体的なプロジェクト内容を整理し、必要な機能や予算、納期などを明確に伝えることで、ベンダーからより的確な提案を受け取ることが可能になります。
この記事で紹介したプロセスを参考にし、必要な情報を整理しながら、ChatGPTをうまく活用してRFPを作成してみてください。
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