MIND

アートディレクターとして意識していることは何ですか？

相手の意図を正しく捉えること、自分の考えをしっかり伝えることを意識しています。もともと言葉足らずな性格な上に誤った方向へ思い込んでしまうことがあったので、コミュニケーション不足が原因で起こったトラブルに痛いほど経験があるからです。例えば、相手の話を聞いたそのままに受け取ったつもりが知らないうちにバイアスがかかって認識がズレていたり、自分なりに分かりやすい資料を作ったつもりが、内容が細かすぎてかえって混乱を招いてしまった、など……。

アートディレクターという立場になってからは、クライアントやパートナーなど社外の方から社内メンバーまでさまざまな人と関わる機会が増えたため、より一層コミュニケーションを正しく取ることの重要さを感じています。

後輩を育てていく上で意識していることは何ですか？

上の質問とも関連しますが、あらゆるものごとに対して思考を巡らせ、自分の考えを言語化してもらうことを意識しています。私から「どうして○○にしたのか？」といった質問を投げかけ、本人が考えるきっかけとなるような働きかけもしています。

私が大学時代にお世話になった先生が「デザイナーは通訳する人」ということをよく言っていました。「多くの人が言葉で上手く伝えられないことを、デザイナーは汲み取り、他の人々へ伝えることができる」ということで、聞いた当時はもの凄く腑に落ち、それが私の根底にずっとあります。通訳をするためにはいろいろな考えを知らないといけないし、それらを正確にアウトプットできるようにならないといけないので、そのトレーニングの一貫として、まずは自分単位での思案と言語化が習慣づくよう心掛けています。

これから先クライマークスでどんな経験を積んでいきたいと考えていますか？

アートディレクターになってからそれほど日が経っていないので、今後もいろいろな案件に参加したいなと思っています。特に、デザインの方針を策定してから制作に至るまでの進め方は毎回試行錯誤の連続なので、あらゆる案件を一つの型にはめこむことは難しいと思いますが、自分なりの王道パターンみたいなものを模索中です。

LEARNING

デザインのトレンドやスキルはどのようにキャッチアップしていますか？

定番ですがWEBデザインのまとめサイトは業務上よく見ます。意識的にキャッチアップもしていますが、何だかんだ惰性で見ているSNSが一番自分の引き出しを増やしてくれているような気がします。食べ物や服、インテリア、雑貨などは今のトレンドを反映しながら人に認知されていることが多いので、相手がうまく言語化できない時などに「○○みたいなデザインですか？」と尋ねると話が広がりやすいので助かっています。

WORKSTYLE

リモートワークになって働き方、考え方で変わった部分を教えてください。

人の気配を感じないので、自分のペースで作業に取り組めるようになりました。ですが、能動的に動かないと他の人の状況がほとんど分からないので、今まで以上にチャットやプロジェクト管理ツールを駆使してキャッチアップするよう努めています。

また、仕事に費やす時間についても見つめ直す機会となりました。以前から趣味で自分の作業時間の計測をしていましたが、リモートワークになったことで周囲の影響が少ない分正確に時間を計測しやすくなったため、何にどれくらいの時間がかかっているのかを細かく記録し、スケジュールやリソース管理に活用しています。

リモートワーク中心になってから、オンオフはどのように切り替えていますか？

食事、買い物、運動などプライベートな予定を一日の要所要所に差し込んで、強制的にオンオフを切り替えるようにしています。元々連続で仕事をし続けることができない性分なのでオンオフの切り替えはできていた方なのですが、アートディレクターになってから案件が佳境に入ると気づいたら何時間も作業をし続けてしまい…一日の歩数が1000〜2000歩くらいにしかなりません。なので、食事ごとにちょっとした運動をして気分をリセットしたり、今日は買い出しに行きたいから定時で仕事を終えるなど、区切りを自主的に設け仕事から離れるようにしています。仕事後やお休みの日は、夫と出かけたり、ゲーム仲間と夜な夜なゲームをしたり、スポーツジムに行ったりと仕事のことは考えないようにしています。