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WebプロモーションとWebマーケティングの違いや効果的な実施方法

あらゆる製品・サービスの多様化・複雑化が進むなか、企業が成果を出すためのWebプロモーションやWebマーケティングに対する注目度が高まっています。一方、ビジネス競争は激しさを増し、各施策を効果的に実施するには、両者の違いを理解したうえでポイントを押さえる必要があります。そこで本記事では、WebプロモーションとWebマーケティングそれぞれの定義や特徴、手法に触れながら、その違いや効果的に実施するためのポイントなどについて、詳しく解説します。

1.WebプロモーションとWebマーケティングの違い

WebプロモーションとWebマーケティングの違いについて理解するには、まずそれぞれの定義を知る必要があります。以下より、それぞれの定義を明らかにしたうえで、両者の違いについて解説します。

1-1.Webプロモーションとは

そもそも「プロモーション」とは、自社の製品・サービスの魅力・価値などを顧客に理解してもらいながら販売につなげるための活動であり、「マーケティング・コミュニケーション」とも呼ばれています。具体的には、広告宣伝やメディアを活用した認知拡大、販売促進などです。

「Webプロモーション」とは、Webを活用して自社の製品・サービスに関する認知・販売促進活動を実施することを指します。今や、社会インフラとして不可欠となったインターネットを活用するWebプロモーションは、従来のマスメディアなど他の媒体によるプロモーションに代わるものとして、重要性が高まっています。

1-2.Webマーケティングとは

そもそも「マーケティング」とは、製品・サービスが売れるための仕組みを作る総合的な活動です。顧客との相互理解を進めながら、製品・サービスの市場(マーケット)を創造するための、あらゆる活動であるともいえます。

マーケティングの究極の目的は、顧客が自発的に製品・サービスを購入し、販売活動を不要にすることにあります。この目的を達成するための活動を、Webを活用したさまざまな手法で実現するのが「Webマーケティング」です。

Webマーケティングは「デジタルマーケティング」と同義で語られることもありますが、厳密には異なります。デジタルマーケティングは、Webの世界にとどまらず、IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)といった技術をはじめ、VR・AR・MRなど、あらゆるテクノロジーやそこから収集されるデータを活用する活動であり、Webマーケティングよりも広範囲を対象とする概念です。

なお、Webマーケティングについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご参照ください。
Webマーケティングとは?施策やメリット、成功のポイント

1-3.WebプロモーションとWebマーケティングの違い

マーケティングを進めるためのフレームワークにはさまざまなものがありますが、そのうちの1つに「4P」があります。4Pは、効果的なマーケティングのために、次の4つの視点を組み合わせる必要があるという考え方です。

  • Product(製品):製品ラインアップ・品質・デザインなど
  • Price(価格):価格・支払い方法・値引きなど
  • Place(流通):流通チャネルなど
  • Promotion(プロモーション):広告宣伝・販売促進など

これを見ても分かる通り、プロモーションは、マーケティングにおける4Pの1つとなります。「マーケティング・コミュニケーション」と呼ばれることもあるように、プロモーションはマーケティング活動の一部を指すのです。例えば、Webマーケティングの一環として、リスティング広告やバナー広告を出稿したり、販売促進のためのメールを配信したりする活動が、Webプロモーションに当たります。

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2.Webプロモーションを効果的に実施するために知っておきたいこと

WebプロモーションとWebマーケティングの違いを押さえたところで、Webプロモーションを効果的に実施するためのポイントとして、特徴や5つの手法、実施手順について解説します。

2-1.Webプロモーションの特徴

Webプロモーションは、従来、リアル(オフライン)の世界やマスメディアなどの媒体で行われてきた広告宣伝や販売促進といった活動を、Webを活用して実現するものです。自社の製品・サービスに合わせたターゲットの調整ができるうえ、効果測定や分析が実施しやすいというメリットがあります。そのため、仮説と検証を繰り返し、改善を重ねながら成果につなげていくことが可能です。Webプロモーションを効率的に進めるためには、自社の製品・サービスを深く理解しておく必要があります。

2-2.Webプロモーションにおける5つの手法

以下より、Webプロモーションにおける5つの手法を紹介します。この5つは「プロモーション・ミックス」とも呼ばれており、「近代マーケティングの父」とされるフィリップ・コトラー氏が提唱する基本的な手法です。

2-2-1.広告宣伝

広告宣伝とは、さまざまな媒体に広告費を支払いながら、認知拡大や販売促進のために自社の製品・サービスを訴求する総合的な手法を指します。Webプロモーションにおける広告宣伝では、リスティング広告やバナー広告といったWeb広告、TwitterやInstagramに掲載するSNS広告など、自社に合った形態を選定し、ターゲットの調整や効果分析を実施しながら、成果を出すことが可能です。

2-2-2.広報・PR(パブリック・リレーションズ)

広報・PR(パブリック・リレーションズ)は、自社の活動や製品・サービスを広く社会に対してアピールし、その方向性や貢献において理解と支持を得る手法です。Webプロモーションにおけるパブリック・リレーションズでは、プレスリリース配信によるWebメディアへの掲載や、自社サイト・オウンドメディアを活用した広報・PR活動が主なものになります。

2-2-3.販売促進(セールス・プロモーション)

販売促進(セールス・プロモーション)は、自社の製品・サービスの特徴やメリットをあらゆる手段で顧客に伝達し、文字通り販売を促進する手法です。Webプロモーションにおけるセールス・プロモーションでは、Webを活用したオンラインセミナーであるウェビナーの開催や、値引きやポイント付加などのキャンペーン実施をWeb広告や自社サイトでアピールすることにより、販売促進につなげる方法があります。

2-2-4.人的販売(パーソナル・セリング)

人的販売(パーソナル・セリング)は、顧客に対して個別にアプローチを仕掛けることで、販売という成果につなげる手法です。Webプロモーションにおけるパーソナル・セリングでは、Web会議ツールを活用したオンライン商談の実施により、リアルな世界での直接訪問と同様の成果を効率的に実現することが期待できます。

2-2-5.ダイレクト・マーケティング

ダイレクト・マーケティングは、あらゆる手段によって顧客への直接的なアプローチを図り、興味・関心を惹く情報を提供することで購買意欲を高める手法です。Webプロモーションにおけるダイレクト・マーケティングでは、年齢や性別などの属性により顧客をセグメント化したうえで、それぞれの顧客に合わせた情報をメールで配信する、DM(ダイレクトメール)が代表的です。

2-3.Webプロモーションの実施手順

Webプロモーションの基本的な実施手順は以下の通りです。

  • ペルソナを設定する
  • アクションの仮説を立てる
  • 手法を選定する
  • コンテンツを準備する
  • 実施・効果分析・改善を繰り返す

まずは自社の製品・サービスにおける顧客のペルソナを設定後、そのターゲットが起こすアクションの仮説を立てます。「どのようなキーワードで検索するのか」「どのSNSを使うのか」などです。それらを基に、適切なWebプロモーション手法を選定したうえで、ペルソナに沿ったキャッチコピーやクリエイティブなどの具体的なコンテンツを準備します。あとは実践し、効果を分析しながら改善を繰り返していきます。

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3.Webマーケティングを効果的に実施するために知っておきたいこと

Webプロモーションに続き、次にWebマーケティングを効果的に実施するために知っておきたいこととして、特徴や10の手法、実施手順について解説します。

3-1.Webマーケティングの特徴

Webマーケティングは、Webの特性を活かした効果測定や分析により、あらゆる指標を数値で把握し、改善活動につなげられるという特徴があります。これは、従来のマスメディアなど他の媒体によるマーケティングには実現が難しい内容です。また、一般的なマーケティング手法に比べて、Webマーケティングは自社に合った複数の手法を組み合わせて相乗効果を発揮しやすいという特徴もあります。なおWebマーケティングの具体的な手法については次のパートで紹介します。

3-2.Webマーケティングにおける10の手法

Webマーケティングの手法と一口にいっても、さまざまな解釈や分類があります。ここでは、代表的な10の手法について、順に紹介します。

3-2-1.SEO(検索エンジン最適化)

SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」と訳されます。Googleなどの検索エンジンで検索された結果において、自社のWebサイトを上位表示させるための総合的な対策によるWebマーケティング手法です。

3-2-2.アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、製品・サービスに関するリンクをWebサイトに設置してもらい、そのリンク経由で訪問したユーザーのコンバージョン(特定の成果)が発生した際に、報酬を支払うという仕組みのWebマーケティング手法です。

3-2-3.リスティング広告

リスティング広告は、検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告が表示されるというWebマーケティング手法です。検索キーワードにはユーザーの興味・関心が内在していると考えられるため、高い効果が期待できます。

3-2-4.アドネットワーク

アドネットワークは、複数のWebメディアへ同時に広告を掲載できる、広告配信ネットワークを活用したWebマーケティング手法です。それぞれのWebメディアとの個別契約や調整などが必要ないため、効率的な広告配信が可能です。

3-2-5.リターゲティング広告

リターゲティング広告は、自社サイトやオウンドメディアを訪問してくれたユーザーに対し、自社の製品・サービスに関する広告をピンポイントで配信することにより、成果向上が期待できるWebマーケティング手法です。

3-2-6.SNS広告

SNS広告は、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに広告を配信するWebマーケティング手法です。SNSの特性である拡散が発生すれば、さらなる成果が期待できます。

3-2-7.SMM(ソーシャルメディア・マーケティング)

SNS広告とは別に、SNSにおける企業アカウントを利用し、自社の製品・サービスに関する投稿を重ねるWebマーケティング手法がSMMです。拡散が発生すれば、より成果向上が期待できるのは、SNS広告と同様です。

3-2-8.メールマーケティング

メールマーケティングは、メールマガジンやステップメールなどを活用したWebマーケティング手法です。ユーザーの興味・関心に合わせた情報を定期的にメールで配信することにより、購買意欲を高めながら成果向上を狙います。

3-2-9.Web接客

Web接客は、自社サイトにツールを導入し、オンラインでの接客を実現するWebマーケティング手法です。自社の製品・サービスに関する情報を提案するポップアップや、ユーザーからの問い合わせに自動で対応するチャットボットなどのツールがあります。

3-2-10.動画・ウェビナーマーケティング

動画・ウェビナーマーケティングは、動画やウェビナー(オンラインセミナー)を活用して、自社の製品・サービスの情報を伝えるWebマーケティング手法です。ユーザーは、場所や時間の制約に縛られることなく、テキストや画像のみでは伝わらない詳細な情報の入手が可能になります。

3-3.Webマーケティングの実施手順

Webマーケティングの基本的な実施手順は以下の通りです。

  • 戦略を立案する
  • 目標を設定する
  • 手法を選定する
  • コンテンツを準備する
  • 実施・効果分析・改善を繰り返す

まずは自社の現状を把握したうえで、前述した4Pなどのフレームワークを活用しながら、目的やターゲットを含めたマーケティング戦略を立案します。それを基に、「年間売り上げ〇〇億円」といった具体的な目標を設定し、目的やターゲットに沿った手法を選定します。選定した手法で利用するクリエイティブなどのコンテンツが準備できたら、あとは実践のうえ、効果を見ながら改善を繰り返していきます。

4.Webプロモーション・Webマーケティングを効果的に実施するポイント

Webプロモーション・Webマーケティングを効果的に実施するためのポイントは、以下の通りです。

  • 対象を明確にする:ペルソナやターゲットを明確にし優先順位を意識することで施策のブレを防ぐ
  • 質の高いコンテンツを提供する:ユーザーを満足させコンバージョン率を上げる
  • 効果分析・改善を繰り返す:Webの計測力を活かしてブラッシュアップする
  • 複数の手法を組み合わせる:最新情報もキャッチアップしながら適切な手法を選定し相乗効果を生み出す

Webプロモーション・Webマーケティングの両者においてこれらのポイントを確実に押さえることで、成果につながる可能性が高まります。

5.まとめ

今後、社会環境の変革は加速し、企業間競争の激化がさらに進むなか、その優劣が勝負を左右する重要な活動として、WebプロモーションやWebマーケティングに対する注目度はますます高まっていくことが予想されます。

両者の違いを理解したうえで効果的なWebプロモーションやWebマーケティングを実践し、ぜひビジネスの発展を実現させてください。

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