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Journal

クライマークス社員のノウハウを、コラム、ケーススタディ、インタビューなどでご紹介

@RefreshRoom

 

最近のデザイントレンド、「Mark a Climax」のこと……アートディレクターに聞いてみた(その3:前編)

参加者プロフィール

  • アートディレクター:加藤

    アートディレクター
    加藤

  • プロデューサー: 木村

    プロデューサー
    木村

クライマークスのリフレッシュルームで聞こえてくるような、「雑談以上、プロジェクト案件未満」の話。
今回の主役は、クライマークスのデザイナー陣をマネジメントする取締役であり、「Responsive Web Design JP(https://responsive-jp.com/)」も主催しているアートディレクター。プロデューサー兼PMが話を聞きます(ときどき、撮影を行った中村も参加)。まずは前編!

型にはめようとするのが、昔からすごく嫌い

中村

あんま加藤さんと接点がないキム(=木村)が、加藤さんと話したいっていうから、オレからしたらびっくりで。「なんか文句でも言うのか?」って。

木村

まさか(笑)。

加藤

(笑)。

中村

(笑)。で、話聞くと、ちゃんとしたことを聞きたそうだったんで(笑)。

木村

(笑)。まあ、加藤さんと話したいと思ったのは——もともと僕がシステムエンジニアやってて。HTMLとか触ることはあれど、デザインを意識してやることはそもそもなくて。人の心を動かすじゃないですけど、しっかりクリエイティブとしてサイトを作るっていうことがなかったんですね。
で、光岡自動車のブランドサイトを見たときに、「すごいな、Webサイトってこんなんなってんのか」と衝撃を受けた。で、誰が作ってるか調べたら加藤さんが作ってた。
「すごい人もいるもんだな」と思いながら、そっから、Webサイトを作る方が面白い、Webサイト制作をやっていこうと思い出した——ってのが、そもそもの経緯です。

加藤

そう言ってもらえると——恥ずかしいよね(笑)。
でも、キムが手がけたサイトも動きがあるっていうか、チャレンジングなサイトが多いよね。
トーシンパートナーズホールディングスとか?あとはFINDERSとか見てても、すごいチャレンジしてる。あれは、どういう意図で?

木村

最近プロデューサーとかPMとかやりだして、なんかクリエイティブも楽しいなって。
やっぱ、既視感が少なくて、表現方法がなるべく斬新な方が喜んでくれるお客さんもいて。特にトーシンパートナーズホールディングスやFINDERSは、「もちろんコーポレートサイトならではの優先すべきことはあるけれど、せっかく作るんならなるべく新しい、クリエイティブなサイトを作ってほしい」と。だから、最近のトレンドみたいなものを言語化しながら作ったみたいな感じですね。

加藤

「既視感」っていうのが、よくわかるなと思って。
例えば、コーポレートサイトを作ってると、「コーポレートサイトってこうだろう」的な、型みたいなのあるじゃん?それにはめようとするのが、デザイナーを始めたころからすごく嫌いで。
当然ユーザビリティとか、お客さんのビジネス要件を満たして、使いやすいサイトで、売り上げを上げるってのは必要なんだけど、その上で、「本当によくあるコーポレートサイトでいいの?そのお客さんならではの独特な表現ってのがあるでしょ?」みたいな。そういうのは、よく、というか、今も必ず考えてる。だから、キムの話にすごく共感した。

加藤

インデックス型、リンク集型からプレゼンテーション型、ストーリー型へ

木村

一番聞きたかったことは、クライマークスでアートディレクターをやられて、あと、「Responsive Web Design JP」とかもやっている中で、最近、Webデザインってどういう状況ですかってことなんですが。

加藤

クリエイティブだけじゃなく設計面でもそうなんだけど、見せ方が、特に海外はプレゼンテーション型、ストーリー型に移行してきたね。
日本のサイトって、インデックス型、リンク集型がずっと強い。最終的に情報のあるページがあって、トップページやその中間の下層ページはそこへのリンクっていうのが、いまだに強いんだけれど。
海外のサイトは、割りと大手のサイトでもプレゼンテーション型に移行してきている。要は、トップページ、その中間のページでも、その会社がどういう会社かとか、事業の全体像みたいなものを、サイト全体でストーリー的にプレゼンテーションしていく。そういうのが、この5、6年で主流になってきた印象がある。で、クリエイティブも、それに合わせて変わってきたなと。
初めはでかい映像を使ったりとか。そのあと、イラストを使ってそれをアニメーションにしたり。あと、でかいタイポグラフィがポンポンと出ていって、それでどんなこと書いてるかわかるみたいな。で、ストーリーを見せていく。

木村

確かに、タイポグラフィとグラフィックみたいなのは、前に比べると増えてきましたね。

加藤

そうそう。で、作ってみるとわかりやすいんだ。スクロールしてても、斜め読みしやすい。
結局、ストーリーを立たせるって言っても、文章がいっぱい書いてあったら読まない。あと、似たような絵、写真が続いても、パッと見て終わりになる。そういうときに、力強いタイポグラフィで、端的でわかりやすいテキストとグラフィックがあれば、パッパッと見て理解しやすい。そこは、ストーリー型に変わっていった流れにも合ってんじゃないかなって気がする。

木村

ツールが大事じゃなくて、アウトプットが大事

木村

トレンドみたいなことで言うと——多少フロントエンド側の話ですけど、Viteとか、ああいうビルドツールみたいなものもどんどん変化してて、追えなくなってきました。あの辺、どこまで追うようにしてます?

加藤

当然、ウォッチすることは大事なんだけど、あんまり振り回されすぎるのもよくないかなって。
デザインもそうなんだけど、結局、ツールが大事なんじゃなくて、アウトプットが大事。当然生産性を高めるとかで大事ではあるんだけれど、あくまで生産性を高めるために大事なんであって。多分コーディングとかフロントエンドのツールとかも同じじゃないかな。

木村

そうですよね。あれに丸一日取られて、「結局、何が今までのツールと違うんだ!」みたいな(笑)。
まあ、アウトプット次第って感じですよね。

加藤

そうそう。アウトプットをちゃんとできる人が、さらに生産性を高めるために、ツールを使いこなしていくっていうのが本筋。
当然、デザインとしてのツールは使えるようになってほしいとも思いつつも、「まずは絵作りちゃんとできるようになろうぜ」みたいな。効率的に作ったデザインがいまいちなデザインだったら……ねえ。

木村

ビジネス要件も、ユーザビリティも、クリエイティビティも

木村

どんどん行きますね(笑)。
2021年に、クライマークスのサイトをリニューアルしたじゃないですか?「あのサイトがカッコいいです」ってお問い合わせ、多いです。「あのサイトっぽいの作ってもらえませんか?」みたいなのを、最近だと、2、3回言われました。

加藤

え、本当に?それは嬉しい。割りと実験的なこともしてて、そういうサイトを、そういうふうに言ってもらえると。
もちろん、お客さんが見て問い合わせしてくれるサイトっていう、うちとしてのビジネス要件もあって。当然、お客さんが使いやすいサイトじゃなきゃいけない。
クリエイティブ的にも「おっ」ていうのがありつつ、お問い合わせもしてくれて、使いやすい。この3つを満たすにはどうすればいいんだろうって、いろいろ試行錯誤して作ったのがあのサイト。

木村

いや、難しいですよね。やっぱり、クライアントワークをやっていく中で、当然クライアントに対しては、一番いいと思うものを提供したいですし、エンドユーザーにも使いやすいと思ってほしい。ただ、同業者にも、カッコいいと思われたい(笑)。

加藤

それはある(笑)。

木村

クライアントワークのくせに、欲はいっぱい出てくるよな~みたいな(笑)。

加藤

それは僕もそう。いや、追い求めていいと思うよ。お客さんのビジネス要件も、ユーザビリティも、あと、あっと世の中を言わせるみたいなのも。そのパズルを組み合わせるのがWebの面白さかなって。「あ、組み合わさった、これは!」みたいな。同業云々というより、自分も何かすごいエクスタシーを感じるというかね。
今まで作ったサイトだと東京農業大学とか——

木村

ああ、バズってましたね。

加藤

あれはもともと——これ、裏話的なんだけど——、他の大学のコンペ案件でデザインしたんだけど、もともとウチのお客さまで有利だったはずなのにコンペに負けてさ。また、その大学のサイトがリニューアル公開したら超バズって、むっちゃ悔しかったのね。
しかも、そのサイトを作った制作会社からResponsive Web Design JPに応募されてきてさ。「載せてください」と。載せたよね、そこは(笑)。やっぱ「スゴイと思うサイトは載せる」というのがサイトのポリシーなんで。

木村

(笑)。それはいい話だ。

加藤

内心は、超悔しかった(笑)。ま、そういうのがあって、リベンジじゃないけど、農大はあっと言わせるのを作ろうと。で、ただ、あっと言わせるだけじゃなくて、お客さんの要件にちゃんと答えできたのが、あの形。
細かい話になっちゃうけど、農大って大学名に引っ張られて「農業をやっている大学」というのが世の中の固定観念としてあって。実は、バイオテクノロジーとかいろいろ最先端な、幅広いことをやっている。
幸い、パッと見てわかる写真はある。じゃあ、それを、どうやって見せるかというときに、写真だけではわかんないから、テキストも組み合わせようと。そこから閃いて、あのスプリットスクリーンができた。
だから、あれは結局、他の大学では全然成り立たないっていうデザイン。そういうのを思いついたときが楽しくて、デザイナーやってる感じだね。

加藤

(続きは後編で!)

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大規模コーポレートサイトからサービスサイトやサテライトサイトまで、アートディレクションと情報アーキテクチャ設計を融合した、クリエイティブで訴求力の高いサイトを構築します。また、フロントエンドのみならずバックエンドのシステム構築、デジタルマーケティング支援までを総合的に提供しています。

コーポレートサイト制作

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