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コラム

プロデュース部 プロデューサー N

勝てる採用ツールをつくるポイント

「大学生の学業専念」を謳った新卒採用スケジュールの変更。第二新卒を含む、キャリア採用の激化など、ここ数年、企業の採用活動における流れが大きく変動しているのは、周知の事実です。
特に、企業の採用活動の活性化に加え、売り手市場も重なったことで、通年にわたる採用活動の必要性が高まっています。

そのような採用環境のなかで、どのような採用ツールが効果的なのか、どうすれば求める応募者層へ自社の魅力を伝えられるのか、悩みを抱える採用担当者も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、こうした観点に立ち、「勝てる採用ツール」をつくるためのポイントを紹介したいと思います。

通年採用が常態化するなか、改めてターゲットを明確化する――ツールを考える前に

まず考えるべきことは、「採用ターゲットは誰か」です。
応募者をより詳細に定義することで、彼らに届けたいメッセージや彼らが求めるであろう情報を明確にすることができ、応募者志向に合わせた採用情報を訴求することができます。
それらが採用ツールとしての前提になるわけです。

しかし、通年採用が常態化する中で、ターゲットとする応募者の範囲は広がりました。
代表的な応募者像を洗い出してみましょう。

  • 新卒者:貴社のことも、業界知識も浅い、これから就職活動をスタートする大学3、4年生
  • 第二新卒者:一度就職をしたが数年のうちに離職し、転職活動をする若手求職者
  • キャリア層:他業界もしくは同業界で働き、即戦力となり得る求職者

この中には、業界研究もこれからという、新卒学生を中心とした潜在的な志向者もいれば、明確なビジョンをもち、具体的な働くイメージをもった顕在的な志向者もいます。

採用ツールのあり方を決めていくにあたり、今までは新卒採用サイトと中途採用ツールを分けることが一般的でしたが、通年採用の流れのなか、企業の事業紹介や強み、先輩インタビューなどの共通コンテンツは、採用プラットフォームとして一本化する動きも多くなってきています。

これは、グローバル企業などではより顕著な傾向です。
そもそも、採用ターゲット層ごとに重複したコンテンツを掲載していく必要があるのか?
そこから考えていくことで、掛かるコストと工数は半分などになるかもしれません。

採用基本情報を統一化している参考例

AppleGoogle

Apple

Apple

Google

Google

採用ツールごとに役割と目的を明確にし、活用することが大事

一方、ただコンテンツやツールをつくっていくだけでは大量の情報の集合体ができるだけ。求める情報を探すことが難しくなり、何よりも情報のミスマッチが起こりやすくなります。また、リクルーターがそうであるように、相手の気持ち、場面に立ちながら、どんな情報をどのようなタイミングで発信するか、「情報の伝え方を設計すること」も重要になります。

代表的な採用ツールである採用Webサイト、採用パンフレット、採用動画を例に、それぞれにどんな役割を担わせるべきなのか。
すべての企業に当てはまるわけではありませんが、以下のような役割が考えられます。

1.採用Webサイト=「情報発信基盤」 ― ツールの中核に位置する発見・総合ツール

ご存知の通り、採用(応募)活動のなかで、最も活用される情報発信基盤です。初期接触は採用サイトが最も多いと考えられ、そのため、ここで興味を持ってもらえなければ、二度と戻ってきてはくれません。極めて、重要な役割を担います。

採用サイトには応募者が常に情報取得できる役割とともに、初めての接触時に自社をどうアピールしていくか、応募者ごとに異なる志望動機にどう応えていくか、それらを網羅していくことが求められるのです。

また、モバイルやソーシャルメディアを活用するなど、就活生との接点をできるだけ増やすことも考慮しましょう。

2.採用パンフレット=「背中を押すツール」 ― より詳しく読み込ませ理解させ、興味を醸成

採用パンフレットはWebサイトに比べ都度更新できるものではありません。一方、パンフレットは一定のテキスト量を読み込ませることができます。Webサイトの網羅性に対し、深い情報発信をより印象的に伝えることが可能です。読み手のマインドに訴えかけるようなメッセージをしっかりと伝えて、自社の価値観に対する共感を醸成。他ツールと合わせ、一貫性のあるメッセージとしながらも、Webサイトとアプローチを変え、パンフレットだからこそ訴求できる内容に落とし込んでいくことが重要です。

3.採用動画=「ダメ押しツール」 ― 臨場感+リアリティで感情に訴える

採用動画は、さらに臨場感ある演出でリアリティとスケール感をもって伝えることができます。迷っている応募者の感情を高揚させ、応募や腹を決めるアクションにつなげる「最後のひと押し」に有効です。

ただし、自社説明会、合同説明会、Web動画で閲覧、など使用シーンによってその役割が変わることも考慮しなければなりません。

このように、それぞれのツールの特性を活かしながら、さらに採用活動全体の中での役割と明確な目的を位置付けることが必要といえます。

応募者の状況や志望度に合わせたコミュニケーションが重要

しかし、たとえ最高の採用ツールをつくることができたとしても、それで採用活動が成功するかと言えば、決してそうではありません。
新卒採用と中途採用でも出会い方は異なります。

まず、新卒採用を、「自由応募」という側面からお話ししましょう。

一般的に、就活生は、リクナビなど就活メディアで志望業界の企業を発見しながら、興味や志望度が高いと個社の採用サイトへアクセスします。
大量の一括エントリーが当たり前ですから、個社の採用サイトを単体でじっくり見るよりもナナメ読みすることが多いと考えられます。「自社が求める優秀層からのエントリーが少ない」と多くの採用担当者の声がありますが、求める層は自社への志望度(興味度)が低いことも考えられます。

限られた時間で就活する学生に、いかに自社の強い印象を与え、興味を持たせ、エントリーへ結びつけるか。各ツールに出会った瞬間に「ビビッ」とさせる仕掛けが必要になってきます。

では、中途採用はどうでしょうか。

転職メディア、人材紹介登録、ネットで検索など、さまざまな転職活動が考えられます。在職中か離職中か、先の将来か今すぐか、など転職への本気度も異なります。つまり、画一的に「エントリーしてください」ではなく、応募者の状況や志望度に合わせ、資料請求対応、登録制度の用意、夜間会社説明会など、「マルチエントランス」が必要なのです。


最後に、あくまでも、採用ツールは自社の魅力や働くイメージを正しく伝えていくうえで、採用活動をサポートする「道具」。一生を決める会社、仕事選びで応募者を後押しするのは、さまざまな応募者の状況に合わせて、どうコミュニケーションを図っていくかが重要なのです。応募者の心理に合わせて、認知~興味~理解~納得~共感へ徐々にモチベーションを高めることが、自社を選んでもらう確固たる志望動機につながります。

そう、これは、まさに異性へのアプローチと同じ。相手に気づいてもらい(認知)、自分の魅力をアピールし(興味)、よく知ってもらい(理解)、誠実に繰り返し(納得)、自分を好きになってもらう(共感)。

「勝てる採用ツール」の制作を実現していくには、相手(応募者)に向き合い、気持ちに合わせてアプローチしていくことが最も重要で、最も効果的なのです。

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