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コラム

プロデュース部 コピーライター/クリエイティブディレクター A

ダイレクトリクルーティング時代の採用サイト活用術:受動的な「待ち」から能動的な「コンテンツ誘導」へ

新卒/中途を問わずダイレクトリクルーティングが採用の主流となる中、「採用サイトを刷新したのに効果が出ない」「選考途中の歩留まりが悪い」と悩む企業は少なくありません。

その原因はサイトの質ではなく、求職者の閲覧に任せる「受動的な待ちの姿勢」にあることも。就活のフェーズごとに変化する求職者心理を捉え、ダイレクトリクルーティングのアプローチを通じて「今、読ませたいコンテンツ」へ能動的に直接誘導する――そんな採用サイト活用術と事例をご紹介します。

はじめに:ダイレクトリクルーティングとは?

まず、改めてダイレクトリクルーティングとは何かを整理しておきましょう。

ダイレクトリクルーティングとは、就職ナビサイト等の求人メディアやエージェントなどの第三者を介さず、企業側がダイレクトリクルーティングサービス(スカウト型サイト等)に登録されている求職者データベースから、自社が求める要件に合致した人材を直接探し出し、スカウトメッセージを送ってアプローチする採用手法です。

従来の就職ナビサイトが網を張って応募を待つ、いわば「地引き網型の採用」であるならば、ダイレクトリクルーティングは狙ったターゲットにピンポイントで針を投じる「一本釣り型の採用」と言えるでしょう。

「待ちの採用」から「攻めの採用」へ。地引き網型の就職ナビサイトと一本釣り型のダイレクトリクルーティングの比較図
図1:「地引き網型」の就職ナビサイトと「一本釣り型」のダイレクトリクルーティング

少子高齢化による就労人口の減少や、就職の価値観多様化が進む現代において、企業が自ら動いて自社に合う人材を「一本釣り」するダイレクトリクルーティングは、もはや無視できない必須の採用戦略となっています。

就職活動の主戦場はダイレクトリクルーティングへ

近年、人材採用の市場は大きく変化を遂げています。中途採用(キャリア採用)において一般化したダイレクトリクルーティング(以下、本文中はDRと略)は、今や新卒採用市場においても主流になりつつあります。従来の就職ナビサイトに広告を掲載し、求職者からのエントリーをひたすら待つという「待ちの採用」では、優秀な人材の確保が極めて困難な時代を迎えています。

一方、多くの企業が自社の採用サイトを新規構築、リニューアルしています。しかし、次のような壁にぶつかる採用担当者も少なくないようです。

  • 多額の費用をかけて採用サイトをリニューアルしたのに、応募数や質に変化が見られない
  • DRで熱心にスカウトメッセージを送っているが、返信率が上がらない
  • せっかく面談や選考に進んでくれた求職者が、途中で辞退してしまう(歩留まりが悪い)

せっかくの投資が成果に結びつかない理由は、採用サイトそのもののクオリティもさることながら、「採用サイトの活用方法」にあることも多い印象です。

本記事では、DR時代の現代において、採用サイトを単なる「会社案内のWeb版」から「選考歩留まりを改善する武器」へと変える活用方法をご提案します。

ダイレクトリクルーティングにおける採用サイト運用の落とし穴

このような背景もあり、現在多くの企業がDRを導入していますが、その運用方法において、従来のナビサイト時代から脱却できていないケースが散見されるようです。

就職ナビサイト型の採用サイト運用:受動的な閲覧

従来の採用プロセスでは、まず就職ナビサイトに企業情報を提示し、そこから自社の採用サイトへと求職者を誘導する形が一般的でした。求職者は自発的に企業の採用サイトを訪れ、トップページから順にコンテンツを回遊します。これは求職者の自発的な意思に依存した、いわば「受動的な閲覧」と言えます。

ダイレクトリクルーティングにおける現状:連動性が希薄

DRを導入した企業の多くも、採用サイトとの連動性は希薄で、就職ナビサイト型の採用サイト活用を続けている印象です。

DRサイト上で気になる人材を見つけたらスカウトを送り、メッセージ内に「詳細は我が社の採用サイトをご覧ください」とURLを1行添えるだけ、その後、求職者が採用サイトをどう見るかは完全に本人任せ(受動的な閲覧)——そんな企業が多いのではないでしょうか。

これでは、入り口がDRに変わっただけで、中身は従来のナビサイト時代と何ら変わりません。求職者はトップページから雑多な情報に迷い込み、結果として自社への興味を深めることなく離脱してしまう可能性があります。

段階的心理に合わせた「コンテンツ誘導型」へのシフト

今回ご提案する採用サイトの活用法は、これまでの「受動的な閲覧待ち」ではなく、企業側が意図的に「今、読ませたいコンテンツ」へ求職者を直接誘導していく手法です。

受動的な「閲覧待ち」から能動的な「コンテンツ誘導」へ移行する流れの比較図
図2:受動的な「閲覧待ち」から能動的な「コンテンツ誘導」へ

前提:就職活動の時期・選考フェーズで変わる求職者心理

就職活動において、求職者の心理は就職活動のフェーズによって変化します。当然、その時期ごとに求める情報(「刺さる」コンテンツ)も異なります。以下に代表的な例を挙げてみました。

選考フェーズ 心理状態 求める情報と最適なコンテンツ例
1. 認知・興味喚起段階 「この会社、どんな会社だろう? 自分に関係あるかな?」 概要把握系コンテンツ、数字で見る〇〇
2. 理解深化・競合比較段階 「具体的な仕事内容は? 他社と何が違うのだろう?」 ○○の強み、事業・仕事深掘りコンテンツ、プロジェクトストーリー、社員紹介
3. 共感・入社動機形成段階 「どんな想いで働いている? 社風や理念、ビジョンは?」 社長メッセージ、企業理念・パーパス、座談会、働く環境・制度紹介

この「段階的な求職者心理」に対し、DR最大の特徴である「企業側から個別&能動的にアプローチできる」という強みを掛け合わせることが、今回のご提案の骨子です。

具体的な活用方法:2つのステップ

では、具体的にどのように採用サイトのコンテンツを活用していくべきか、2つのステップに分けて解説します。

コンテンツ誘導型DRの実践。STEP1ターゲット特化型誘導とSTEP2フェーズ連動型誘導の2ステップを示す図
図4:コンテンツ誘導型DRの実践 ─ 2つのステップ

① スカウト(初期アプローチ)時:ターゲット特化型誘導

DRサイトで人材を見つけ、最初のスカウトメッセージを送る段階です。ここで単に採用サイトのトップページURLを貼る「見てね」のスタンプラリーで終わらせてはいけません。ターゲットの属性や志向に合わせて、ピンポイントで「お薦めコンテンツ」の直URLをコメント付きで提示します。以下、ターゲットとコメント例を挙げてみました。

例A:初めて自社を知った求職者に向けて

「初めて当社を知っていただいた方には、まず3分で我が社の全体像がわかるこちらのページをご覧いただきたいです!」

→「数字で見る〇〇」コンテンツへ直接誘導

例B:理系ターゲットの求職者に向けて

>「文系中心の会社に見えるかもしれませんが、実は理系出身の先輩も多く活躍しています。彼らの志望動機、仕事のやりがい、将来の目標などはこちら」

→ 「理系出身の先輩社員紹介」へ直接誘導

例C:ワークライフバランスを重視する求職者に向けて

「ライフイベントを迎えても長く働ける環境か、不安に思うこともあるかもしれません。実際に人事制度を活用しているメンバーの本音はこちらで公開!」

→「育休・産休取得者/時短勤務者などの座談会」コンテンツへ直接誘導

選考

② 選考プロセス進行時:フェーズ連動型誘導

問い合わせやエントリーがあった後も活用を続けましょう。閲覧状況や選考の進捗、面談・面接中に見えてきた「求職者の懸念点・関心事」に合わせて、案内するコンテンツを動的に変えていきます。こちらも例を挙げてみました。

例D:働く環境や条件(給与や休日)ばかりを気にしている求職者

そのままでは「条件のミスマッチ」で辞退されかねません。あえて仕事の泥臭さや、顧客への提供価値を熱く語った「プロジェクトストーリー」などを紹介し、仕事そのものへの理解深化と意識の引き上げを狙います。

例E:役員・社長面接を控えた求職者

面接への不安を和らげつつ、企業理念への理解・共感を高めます。例えば「次の面接の『あんちょこ』として、我が社の代表の想いを語ったこちらの記事をぜひ読んでみてください!」などのコメントとともに、トップメッセージや理念系コンテンツへ誘導します。

例F:内定を出したが、承諾を迷っている(他社と天秤にかけている)層

本人だけでなく、その背後にいる家族の不安も解消しましょう。福利厚生や研修制度、企業の安定性・将来性をデータで示した「働く環境」コンテンツを紹介。「ご家族のみなさまにも安心していただける情報が詰まっています」と一言添えて一押しします。

実績紹介:A社の事例

実際、弊社が採用サイトリニューアルを担当、採用コミュニケーションのお手伝いさせていただいたメーカーA社様がこの「コンテンツ誘導型DR」を実践しています。

同社のこれまでの採用活動はナビサイトで詳細情報を掲載、興味を持った人が説明会に参加するというものでした。しかし、同社が採用活動を完全にダイレクトリクルーティングへと切り替えたことで、「まだ同社を知らない候補者」に対してのアプローチが必要になってきました。

一方、リニューアル前の採用サイトは事業内容や仕事内容の全体像が伝わりにくく、「何をしている会社なのか分からない」という状態。リニューアル開始時点でもアプローチは実施していましたが、説明会参加率は一桁程度、内定辞退も少なくないといった状況でした。

これに対しクライマークスは、単なる情報整理ではなく、選考中も活用できるサイトを企画。企業認知向上はもちろん理解、共感まで醸成できるサイト構成、およびコンテンツ案をご提案しました。さらに選考が進んでいく中で、求職者の気持ちが移り変わることにも対応できるようコンテンツを充実させました。

これを受けて、A社も採用戦略に採用サイトを積極活用。Googleアナリティクスで求職者が読んでいるページを確認、そのうえで属性などに合わせて読んでほしいページのURLをメールに記して送付。また、最終面接に進んだ人に社長メッセージのURLを送るなど、まさに「コンテンツ誘導型DR」を実践しました。

これにより、最初はダイレクトリクルーティング経由でも採用サイトへ遷移、さまざまなコンテンツで企業理解を深めたうえでエントリーする求職者が増加。これまで一桁だったエントリー数は二桁まで向上しました。

最後に:強い応募動機をつくり、離脱を防ぐために

コンテンツ誘導型DRを実践することで、以下の2つの大きな成果を手に入れることができると考えます。

  • 「強い応募動機」を持った母集団の形成(自社を深く理解した上で選考に進むため、ミスマッチが減る)
  • 選考途中における「離脱(辞退)」の大幅な防止(不安になるタイミングで、先回りして疑問を解消できる)
コンテンツ誘導型DRがもたらす2つの成果。強い応募動機を持った母集団形成と、選考途中の離脱防止を示す関係図
図5:コンテンツ誘導型DRがもたらす2つの成果

これからの採用活動において採用サイトはただ閲覧に任せるものではありません。DRという強力なエンジンと組み合わせることで求職者を導き、自社への志望度を段階的に引き上げる「能動的なツール」へと進化させる必要があります。つくっただけで満足するのではなく、採用サイトの優良コンテンツをDRにおける武器に変え、攻めの採用へ舵を切ってみてはいかがでしょうか。

採用サイト制作

採用活動で必須となる採用サイト制作をHR領域に精通した制作スタッフ(ライター・デザイナー含む)が本質的な採用成功を実現する為にトータルでご支援します。

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