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コラム

システム部 マネージャ N

ポイントは3つ!多言語サイトCMS構築時に検討すべき必須要件

多くの言語をサポートする「多言語Webサイト」の構築を迫られる企業が、今、増えています。
背景に、訪日客の激増にあることは言うまでもありません。
インバウンドという言葉が世の中に出てから久しいですが、これからも東京オリンピックやラグビーのW杯などが控えていたりと訪日客が増えそうなイベントが目白押しです。

2015年度の訪日外国人数の伸びを見ると一目瞭然、決してマスコミで騒がれているだけといった他人事ではないことがわかるかと思います。

出典:JTB 総合研究所 経年データ – 訪日外国人数
http://www.tourism.jp/statistics/inbound/

こうしたトレンドを受け、多くの言語をサポートする「多言語Webサイト」の構築を迫られるケースも増えてきたのではないでしょうか。今回は、他言語WebサイトをCMSで管理する際に検討すべき3つのポイントをご紹介したいと思います。

1 誰がサイトを見るか?

まず気にすべきは誰がサイトを見るか?ということ。どういったユーザに向けて、Webサイトで情報を発信していくのかを明らかにすることは、とても重要です。
いわゆる「爆買い」のために訪日する、中国本土からのユーザなのか。それとも何度も日本を訪問したことのあるリピーターの欧米人なのか。どういったユーザに向けてWebサイトで情報を発信していくのかを明らかにすることが重要です。

中国本土からのユーザが多いと思い込んでいたら、実は台湾からのユーザの方が多く、簡体字だけでなく繁体字にも対応した方がよいといったケースもあります。
また、インバウンドだけでなく日本に住む外国人をユーザとして想定する場合もあるでしょう。

このように、想定されるユーザをより詳細に定義することで、サイトの運用上重要な方針を決めることができます。
例えば、

  • Webサーバをどこに設置すべきか
  • サイトのメンテナンスを実施する時間帯はいつがよいか

といったWebサイトの運営上必要不可欠な事項を決定するのに大いに役立ちます。

Webサイトで提供する言語だけでなく、アクセス元ユーザというマクロな視点で考えることが重要なのです。

2. コンテンツはどういったもので、どういったボリュームになるか?

次に気にすべきは、「コンテンツはどういったもので、どういったボリュームになるか?」です。この二つは、Webサイトのデザイン・ページ構成に大きく関係します。
通常のコーポレートサイトであれば、ミラーサイト(複数の言語で同じデザイン・ページ構成)にすることも多いでしょう。同じデザイン・ページ構成であれば、テキストを翻訳し、画像などにある文字を対象言語に訳して作成しなおせば比較的簡単に多言語化できます。

しかしながら、アラビア語が必要とされる場合など、右から左へテキストを読ませる必要があり、デザインを同じにすることが難しく、ミラーサイトとしてアラビア語サイトを作成するのは困難なケースもあります。
また、採用応募フォームを設置している会社も多いですが、例えば、アメリカでは年齢を聞くことも違法となります。こうした場合には、言語によってフォームの入力項目を柔軟に変更できるCMSを選択する必要があるでしょう。

一方で、各国によって提供しているサービス内容が大きく異なっていたり、法律上の制限があったりとミラーサイトとすることは無理があるケースも多々あります。こうしたコンテンツの確認に加え、ページボリュームによっても、CMSをどう設計するかに影響を与えますので、併せて確認しましょう。少ないページ数であれば、メイン言語ページの中での1テンプレートとして作成してもよいでしょうし、膨大なページ数であれば、そもそも別ドメインや、別サーバのほうが運用がしやすいかもしれません。

3. 誰が使うか(更新する)のか?

三番目のポイントは、「誰が使うか(更新する)のか?」です。
Webサイトは印刷物と違い、日々柔軟に情報発信できることが特徴の一つでもあります。
せっかく多言語Webサイトをつくったとしても、情報が古いままではユーザは遅かれ早かれアクセスしなくなってしまいます。

日本語と同じようなコンテンツ構成で多言語サイトを構築したはいいものの、
誰も日本語以外のコンテンツ更新できる担当者がおらず、風化していくというのは笑えない話です。

逆に、「各言語の担当者がいて更新できる体制がとれるのか」「社内のバイリンガルの社員が担当するのか」などを明らかにしておくことで、「CMSの管理画面も多言語化すべきか」「予約投稿を考えてCMSは複数のタイムゾーンに対応すべきか」といった、機能要件を洗い出すことが可能です。

最後に

以上、3つのポイントを紹介しましたが、これらのポイントを押さえられれば、多言語サイトとCMS構築の基本方針をまとめることができます。より詳細な要件を詰めていく際の大事な土台となるでしょう。

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